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次世代ブロックチェーンといわれるイーサリアム
現在のところ、1,000種類以上もある仮想通貨の中でも、イーサリアム(Ethereum/ETH)の時価総額は、ビットコインに次ぐ第2位となっています。
イーサリアムは、ビットコインと同様にブロックチェーン技術を利用していますが、ビットコインよりもさらに優れた機能をもっています。その機能について、ビットコインとの比較を中心に説明します。
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※注 現在は「仮想通貨」を「暗号資産」に呼称変更されておりますが、本記事では一般に定着・浸透している名称の仮想通貨で記載しております。
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仮想通貨の取引処理はブロックチェーン技術で成り立っている
仮想通貨は、ブロックチェーン技術を用いて取引処理をしています。ユーザーの取引に対して、第三者がそれを承認することを繰り返すことで、通貨自体の信用性を保っているのです。
最初にブロックチェーン技術を用いた仮想通貨を作ったのは、ビットコインでした。ビットコインのブロックチェーンのしくみは、オープンにすることで誰もが改良することができ、そこからイーサリアムが誕生したのです。
イーサリアムが実現するスマートコントラクトとは
ビットコインにはない、イーサリアムの機能のひとつがスマートコントラクトです。スマートコントラクトとは、取引に伴う契約を自動化し、取引完了までを強制的に行う機能のこと。
イーサリアムのブロックチェーンでは、すべての取引記録を管理するのと合わせて、取引を行うのと同時に、その契約内容までをも管理することができます。管理者などの中央機関を介さずに、契約内容を自動で執行できるのが大きな特徴です。
このスマートコントラクトを利用すれば、DApps(分散型アプリケーション)を構築することができ、ブロックチェーン技術の応用範囲がさらに広がることにつながります。
イーサリアムが移行予定の「Proof Of Stake」
イーサリアムのブロックチェーンでの承認のしくみには、ビットコインと同様のProof Of Work(プルーフオブワーク)が採用されています。
ですが、2019年末くらいのアップデートでProof Of Stake(プルーフオブステーク)というシステムに移行する計画になっています。
ビットコインの「Proof Of Work」との違い
Proof Of Workとは、取引データに不正がないかを検証作業をして証明する手法です。検証作業はマイニング、作業に成功した人はマイナーと呼ばれます。この手法では、より多くの検証作業ができる環境を有しているユーザーが、マイニングによる報酬を独り占めしやすいという欠点があります。
これに対して、Proof Of Stakeでは仮想通貨の保有量や保有期間に比して、マイナーになる確率が上がる仕組みです。
検証作業が少なくすむのでマイニングにかかる電気代が安く済むほか、51%攻撃(検証作業の速度がネットワーク全体の51%を占めるユーザーが、不正な取引を行えるようになること)を防ぐ有効な手段にもなります。
Proof Of Stakeが実装される「イーサリアム2.0」のアップデートに期待
イーサリアムのアップデートは、2019年3月に終了したばかりのコンスタンティノープル後にも、「イーサリアム2.0」になるセレニティを2019年末に控えています。
スマートコントラクトを利用したサービスを導入したいと考えている企業は数多くあります。イーサリアムの今後の動向に注目しましょう。