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注目の分散型ストレージネットワーク「Filecoin」
Filecoinは、ブロックチェーン技術(取引処理のしくみ)を用いた分散型ストレージネットワークのひとつで、ユーザーが管理者を介さずにどこからでもファイルをアップロードすることができ、アクセスすることが可能です。
Filecoinのブロックチェーン取引におけるマイニングのしくみを、詳しく解説します。
Filecoinではどのようにファイルを管理するのか
Filecoinのネットワークにファイルをアップロードすると、そのファイルは暗号化かつ分割されてネットワーク上のユーザーに配分され、それぞれに管理されます
。分割されたファイルの状況は、ブロックチェーンにある「アロケーションテーブル」で全員が参照することが可能です。
2つの取引市場「ストレージマーケット」と「リトリーブマーケット」
Filecoinは、ストレージマーケットとリトリーブマーケットの2つに分かれていて、それぞれの場所でファイルのやり取りに関する取引がなされ、マイナー(承認者)が報酬を得られるしくみになっています。
(1)ストレージマーケット
ストレージマーケットとは、ネットワーク上にファイルをアップロードしたいユーザーと、端末の空き容量をファイルの保管場所に貸し出せるユーザーとの取引場所です。後者はストレージマイナー(Storage Miner)と呼ばれ、貸した報酬にFILトークンを受け取ることができます。
また、保管しているデータ量に応じて、ブロックの生成を行う権利も得ることができるので、その作業でも報酬を得ることが可能です。
ストレージマイナーの「宣誓」と「証明」
ストレージマイナーはFILトークンを担保にして、保管場所をネットワーク上に提供できると「宣誓」します。それがなければ、ストレージマーケットに保管場所の容量と値段を設定して売り出すことができません。
ストレージマイナーは、保管場所が売れた後はProof of Storage(ファイルが正しく保管されていることを検証する方法)で、自分がファイルを保管していることを随時証明し続ける必要があるのです。
もしも「宣誓」を破ったり、預かっているファイルを紛失したりした場合は、担保として支払ったFILトークンの一部が没収されてしまいます。
(2)リトリーブマーケット
ファイルにアクセスしたいユーザーと、分割して保存されているファイルのピースを集めて提供するリトリーブマイナーとが、取引をする場所のことです。
リトリーブマイナーは、アロケーションテーブルを参照して他のユーザーが要求しているファイルのピースを集め、まとめて提示します。ファイルを参照したいユーザーと取引が成立すれば、マイニングが成功しFILトークンで報酬を得ることができるでしょう。
しくみ上、保管場所を多く持っているストレージマイナーが、多くの場合はリトリーブマイナーも兼ねていることが多いです。
Filecoinのメインネットローンチはもうすぐ!
ネットワーク上のストレージは、DApps(分散型アプリケーション)の増加に伴い、これからも需要が増え続ける一方であると考えられています。
今のところ、Filecoinプロジェクトは2019年中にメインネット稼働開始予定です。今後の動向に期待しましょう。