リップルはブロックチェーン技術を採用していない
ビットコインには、ブロックチェーン技術が採用されています。世界中に存在する仮想通貨は、ブロックチェーン技術を採用しているものが大半です。
しかし、リップルはブロックチェーン技術を採用していません。独自のシステム「XRP Ledger」を採用しています。
当記事では、「XRP Ledger」についてや、ブロックチェーンとの違いについて解説していきましょう。
===================
※注 現在は「仮想通貨」を「暗号資産」に呼称変更されておりますが、本記事では一般に定着・浸透している名称の仮想通貨で記載しております。
===================
「XRP Ledger」はどんなシステム?
「XRP Ledger」は、早くかつ安く国際送金できることを目的として開発された決済ネットワークです。
ビットコインやイーサリアムのように、台帳を使い、取引の記録をしていることは同じですが、ブロックチェーン技術は一切使っていません。日本語では、「分散型台帳技術」と呼ばれています。
このネットワークは、個人向けではなく、銀行などの法人向けに開発されました。
では、具体的にブロックチェーンとどのような違いがあるのでしょうか。次の章で詳しく解説します。
ブロックチェーン技術との違い
ブロックチェーン技術との違いを大別すると、3つに分けられます。
1つ目は、承認方法の違いです。どのシステムの場合でも、取引後には必ず「この取引は適切である。」と第三者によって承認を受けます。
ブロックチェーンでは、マイニングという特殊な計算を行うことで承認。一方で、「XRP Ledger」では、リップル社が認定した一部のバリデーターと呼ばれる人たちによる多数決によって承認されます。
2つ目は、管理者の違いです。ブロックチェーン技術では各ユーザーが互いに管理しているのに対し、「XRP Ledger」では、前述した一部のバリデーターやリップル社によって管理されています。
3つ目は、セキュリティの違いです。ブロックチェーンの場合は、オープンソースのため世界中のユーザーがチェックできます。そのため、信頼性が高いと言えるでしょう。
一方で、「XRP Ledger」ではシステムにアクセスするごとに手数料が発生します。例えば、ハッカーが膨大なテータにアクセスすると、莫大な手数料が発生します。結果として安全性を確保しているということになるのです。
ブロックチェーン技術を採用しないからこそのメリット
リップルは国際送金に特化した仮想通貨およびシステムです。早くて安い国際送金を実現するために、あえてブロックチェーンではなく、「XRP Ledger」という独自の技術を採用しました。
これによって、ブロックチェーン技術では補うことのできなかったデメリットがいくつか解消されます。とは言え、中央集権的な要素があるのはデメリットとも言えるでしょう。
現在、「XRP Ledger」を使った国際送金実験が世界中の銀行間で行われています。果たして本当に優れた技術なのか、結果がわかる日が近いでしょう。”