イーサリアムの問題点を解決!画期的なプロジェクト「Enigma」
ビットコインに次ぐ時価総額を誇る仮想通貨イーサリアム。イーサリアムはスマートコントラクトを実装したことで話題を集めていますが、一方でスケーラビリティとプライバシーという2つの問題点も抱えています。
この2つの問題を解決するために開発されたのがEnigma(エニグマ)です。Enigmaとはいったいどのようなものなのか、その仕組みと特徴について解説します。
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※注 現在は「仮想通貨」を「暗号資産」に呼称変更されておりますが、本記事では一般に定着・浸透している名称の仮想通貨で記載しております。
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そもそもEnigmaとは?
Enigmaはアメリカの名門校、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究から生まれた仮想通貨です。デジタルカレンシーグループなどの有力なベンチャーキャピタルが出資し、2017年にイーサリアム上のICOで約4500万ドルの資金を調達したことでも注目を集めました。
Enigmaは、ビットコインやイーサリアムのようなメインブロックチェーンではなく、セカンドレイヤーやオフチェーンと呼ばれる「パブリックオフチェーンネットワーク」を使用し、現在のブロックチェーンが抱える問題を解決しようしています。
では、具体的にどのように問題点を解決しようとしているのでしょうか?
スケーラビリティ問題を解決!
ビットコインやイーサリアムなどのメインブロックチェーンには取引の記録量にリミットが設けられています。そのため、取引が増加した時や、重いコントラクトを実行しようとする場合、高い手数料や膨大な時間がかかったり、そもそもコントラクトを実行できないという事態が発生したりします。
Enigmaは、ブロックチェーン内に全てのデータは記録せず、オフチェーンを活用し、処理を分散することでスケーラビリティ問題を解決しています。つまり、コントラクトの実行に大きな負荷がかかっていた処理をオフチェーン上で行うことで、実行にかかる手数料や時間を大幅に圧縮することが可能になったということです。
プライバシー保護の問題を解決!
イーサリアムはブロックチェーンを活用したスマートコントラクトを実装することにより、契約内容の改ざんや不正が行われにくく、透明性の高い取引の実現を可能にしました。しかし、一方で、契約や取引の内容を全ての人が閲覧できるため、プライバシーや情報の秘匿性が守られないという問題点を抱えています。
Enigmaは、オフチェーンを利用し、秘匿性を保ったままスマートコントラクトを実行できる「シークレットコントラクト」を実装することにより、この問題を解決しました。
シークレットコントラクトとは、簡単に言えば、元データを暗号化し、暗号化された状態のままプログラムを実行できる仕組みということです。これにより、センシティブな情報や機密性の高い情報でも安全にデータのやりとりができるようになりました。
大注目のEnigma!今後の動向に期待
Enigmaのさらなる開発により、これまで秘匿性や機密性が高く、活用しきれていなかったビッグデータの共有、利用がさらに進むことが予想されます。医療や金融などより広い分野で活用されることで、私たちの将来に大きな影響を与えることでしょう。Enigmaの今後の動向に注目です。