イーサリアムの問題を解決する技術Plasmaとは

2019.07.09 [火]

イーサリアムの問題を解決する技術Plasmaとは

イーサリアムのスケーラビリティ問題

イーサリアムはチェーンに取引情報だけではなく契約内容も記録できることから、取引が増加することにより、記録する情報のボリュームが膨らみを増し続けます。

これにより、チェーン内で記録可能なトランザクションの容量を超えてしまい、滞ってしまうのです。これをイーサリアムのスケーラビリティ問題と呼びます。

スケーラビリティ問題は、今後のイーサリアムの発展において、とても重要な課題になると言われています。Plasma(プラズマ)はこの問題を解決することができる技術です。

 

Plasma(プラズマ)とは

2017年8月にイーサリアムの創設者であるヴィタリック・ブテリン氏と、ライトニングネットワークの共同開発者であるジョセフ・ポーン氏が、Plasma(プラズマ)という技術を提唱しました。

プラズマとはイーサリアムのスケーラビリティ問題を解決するために開発された、新技術です。

プラズマを利用すれば、トランザクションをメインチェーン上で作成する必要がありません。独自のチェーンを作成し、それをメインチェーンに接続して関連付けることができます。

 

Plasma(プラズマ)のメリット

Plasma(プラズマ)はメインチェーンに対して枝を伸ばすように独自のチェーンが張り巡らされています。

メインチェーンへ記録するデータ量が分散されることにより、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決することが可能です。

更にPlasma(プラズマ)は1秒間に数10億回のスマートコントラクトを実行することが可能なので、スマートコントラクトの実行速度の向上につながり、スムーズに流通するようになります。

また、通常は承認を早く得るために、手数料を多く支払わなければなりません。Plasma(プラズマ)を導入することにより、トランザクションの滞りを解消することが可能です。これにより手数料の高騰を防ぐことができます。

 

Plasma(プラズマ)の問題点

Plasma(プラズマ)を利用したブロックチェーンでは、不正や誤送金が起こらないように、ユーザーは都度全てのチェーン(メインチェーン・プラズマチェーン)をダウンロードする必要があります。

プラズマチェーンが拡大していくほど、データも膨大となり、ユーザーの負担が大きくなっていくでしょう。

現在はこの問題を解決するのに、「Plasma Cash」という技術が提案されています。この技術を取り入れることができれば、ダウンロードするデータ容量を大幅に削減することができ、追跡機能のついたコインの生成が可能です。

これを利用して不正が無いかを検証することもできます。Plasma Cashはまだ開発途中なので、今後の展開に期待しましょう。

 

イーサリアムの今後

現在、イーサリアムのスケーラビリティ問題はとても大きな課題です。この課題を解決できなければ、今後イーサリアムの発展は難しいと言えるでしょう。

この問題を解決できるPlasma(プラズマ)はイーサリアムにたくさんのメリットを与えることができます。まだまだ課題がたくさんあるのも事実ですが、今後の更なる発展に注目しましょう。

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