新しいブロックチェーン技術「Zerochain(ゼロチェーン)」とは?

2019.07.01 [月]

新しいブロックチェーン技術「Zerochain(ゼロチェーン)」とは?

ユーザーのデータを秘匿化しプライバシーを保護するブロックチェーン技術

ブロックチェーン技術開発を行っている株式会社LayerXは、2019年3月にZerochain(ゼロチェーン)プロジェクトを発表しました。これはブロックチェーンの課題であるプライバシーの保護を目的とした、新しい技術です。

Zerochainはなぜプライバシーを保護できるのか、詳しく解説します。

 

新しいブロックチェーン「Zerochain(ゼロチェーン)」とは

Zerochainは、先に登場しているZcashやMonero・Grinなどと同じ、秘匿ブロックチェーンの性質を持っています。

ビットコインの取引処理に用いられているブロックチェーン技術は、仮想通貨の所有者の情報は暗号化されているので、匿名性があるといわれる一方、「誰か」がその仮想通貨を持っていることと、その仮想通貨で取引がなされたことまでを秘匿しているわけではありません。

ブロックチェーンでの取引では、仮想通貨の取引履歴は公開されているためです。

そこで、最近になって取引履歴が追跡できず、個人の匿名性が確保できる「秘匿ブロックチェーン技術」による仮想通貨が登場し、世界中で関心が高まっています。

秘匿ブロックチェーン自体は全ユーザーに公開されていますが、チェーンを見ただけでは、送金者と受取人のアドレスと、仮想通貨がいくら送金されたのかについては、第三者に知られないような仕組みになっているのです。

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※注 現在は「仮想通貨」を「暗号資産」に呼称変更されておりますが、本記事では一般に定着・浸透している名称の仮想通貨で記載しております。
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Zerochainはアカウントベースの秘匿ブロックチェーン

Zerochainは、世界初のアカウントベース(ユーザーのアドレスに残高を直接記録する)での秘匿ブロックチェーンです。

ユーザーの仮想通貨の残高、取引時の送金した額、送金結果によって更新される残高、それらを全て暗号化してからブロックチェーンに書き込みます。

UTXOベース(取引記録のうち送金されてない記録の額を合計し、ユーザーのアドレスの残高を管理する)では取引のやり取りのみを暗号化しますが、アカウントベースではブロックチェーンに書き込むデータを全て事前に暗号化するので、他の秘匿ブロックチェーンとは異なっています。

 

Zerochainは、新しいアプリケーションに応用可能な技術

Zerochainはアカウントベースで設計されているので、仮想通貨の取引処理の秘匿化の他にも、会計や税務における監査を相手のプライバシーを保護しつつ行うことができるようにもなるなど、今までのブロックチェーンではできなかったことも可能になります。

これから先、様々なアプリケーションに新しい機能やサービスが実装されていくでしょう。

 

LayerX社が展開する新サービスに期待が高まっている

Zerochain技術を開発しているLayerX社は、株式会社GunosyとAnyPay株式会社による、ブロックチェーンに関連する新サービス開発を行う合弁会社として、2018年8月に設立されました。

新しいブロックチェーン技術と、それを用いたアプリやサービスを国内外で展開する予定とのことで、これからに注目したい企業のひとつです。

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