目次
ブロックチェーンをマイクロペイメントに対応させる新技術がオフチェーン
以前から仮想通貨取引に用いられているブロックチェーン技術は、近年需要が高まっているマイクロペイメントにうまく対応することができませんでした。
その問題点を解決させるために登場したのがオフチェーン技術です。ブロックチェーンに付随するオフチェーン技術とは何か、どういった可能性があるのかを解説します。
========================
※注 現在は「仮想通貨」を「暗号資産」に呼称変更されておりますが、本記事では一般に定着・浸透している名称の仮想通貨で記載しております。
========================
オフチェーンとブロックチェーンとの関係は?
ビットコインなどの仮想通貨の取引の際に、ブロックチェーンの外側で付随して行う取引がオフチェーンです。
ブロックチェーンでの取引が発生したら一旦使われる仮想通貨を外し、オフチェーンに出して(デポジット)取引をします。オフチェーンでは複数回の取引が行われ、その取引の最初と最後の結果のみを、ブロックチェーンに書き込みます。
オフチェーンを使えば3つのことが解決できる!
オフチェーンを使った取引は、ブロックチェーン取引の問題点を、3つ解決することができます。
1つ目は、スケーラビリティ(拡張性)の解決です。オフチェーンを使うと、ブロックチェーン上に書き込む取引量を結果的に減らすことができ、膨大な量の取引にもある程度対応できるようになります。
2つ目は手数料の大幅な削減です。ブロックチェーンに書き込む取引量が減らせるということは、手数料を払う必要があるマイニング(承認)の回数を減らせることも意味するからです。
3つ目は、限られたネットワーク上で完結する取引のみではありますが、超高速取引に対応できることです。オフチェーン上の取引にはマイニングの必要がないので、取引スピードが早くなります。
例えば、取引所のネットワーク内のオフチェーンで、ドルとビットコインの売買を繰り返すといったようなことがあてはまります。
オフチェーンの応用形「ライトニング・ネットワーク」
オフチェーンを伴ったブロックチェーンネットワークの応用形が、ライトニング・ネットワークです。
ライトニング・ネットワーク内であれば、高速で膨大な量の取引が実行できるので、マイクロペイメントが可能になります。
2019年2月には、日本円で約4,000〜8,000円の即時決済が可能になりました。ライトニング・ネットワークの安定性にはまだ不安がありますが、私たちが日常的な決済手段として使用できる段階に近づいているようです。
マイクロペイメントが一般的になる日も近いかもしれない
ブロックチェーンでの仮想通貨の取引は完了までに10分ほどかかります。
日常的な買い物の際にオンライン決済が確定までに10分もかかるのは、現実的ではありません。ですがライトニング・ネットワークのような、より進化したブロックチェーン技術が広まっていけば、私たちも気軽にマイクロペイメントを利用できるようになるでしょう。