ブロックチェーンとは

2019.03.05 [火]

Blockchainがまだ理解できていないという方でも大丈夫!概要と意味を解説

Blockchainといえばビットコインを始めとする仮想通貨の技術、ということをなんとなく知っている方も多いでしょう。

しかし、具体的にどんな仕組みで、何がそんなに画期的なのか説明するとなると難しい、という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、Blockchainの基本的な仕組みや特徴、仮想通貨以外の分野ではどのような応用が期待されているかをご紹介します。


Blockchainとは

Blockchainの技術は、最初の仮想通貨であるビットコインの開発過程で生まれました。ビットコインの後に続いた他の仮想通貨もBlockchainを基幹技術として開発されています。

Blockchainの技術が、ビットコイン以上に世の中で注目されているのには訳があります。その理由は、書き換えが許されないデータを安全に管理する技術がBlockchainにあるからです。

 

Blockchainの仕組みと特徴

・Blockchain(ブロックチェーン)が改ざんできない仕組み

Blockchainは幾つかの取引データをまとめて、ブロックと呼ばれるものを作っています。

取引データは、決済の場合には「AからBにいくら送金された」というものです。この取引データをまとめて一つのブロックを作り、そのブロックが次から次へとチェーン状につながっていくので「ブロックチェーン」と呼ばれます。

チェーン状に連なっているので、万が一ある一点で書き換えや不正が起こった際には、その後に連なっているブロック全てに影響が出ます。

この仕組みのおかげで、改ざんがどこで起こったのかすぐわかってしまうため、一度情報を記録すると不正が極めて起こりにくい仕組みとなっています。

・Blockchainは分散型

そして、Blockchainの大きな特徴の一つに、「分散型」であるということが挙げられます。

従来のネットワークの仕組みの場合、一つの場所に重要な機能が集中しており、その場所が故障または攻撃された場合に、全体のネットワークがストップしてしまう危険がありす。

このネットワークの心臓のような部分を「単一障害点」と呼びますが、Blockchainの場合には、この単一障害点が存在しません。また、中央に管理者や管理するための機関もなく、ネットワーク参加者が分散して管理をするために、分散型と呼ばれています。

Blockchainは、台帳=取引情報が記録されたブロックが、分散型ネットワークによって管理されているので、その仕組みの特徴から「分散型台帳」とも呼ばれています。

 

Blockchain1.0、2.0、3.0とは?

Blockchainは、最初は仮想通貨の技術としてのみ活用されていました。

しかし、年々Blockchain技術を採用する企業や業界が広がってきており、今や仮想通貨や金融の分野だけにとどまりません。

その活用分野によってBlockchain1.0、Blockchain2.0、Blockchain3.0と名前がつけられています。

それぞれについて簡単に説明します。

 ・Blockchain1.0は通貨、支払い機能

1.0はまさにビットコインを代表とする通貨、支払い機能としてBlockchain技術を活用していく段階です。

このBlockchain1.0を起点に、様々な通貨や技術が派生していくことになります。

・Blockchain2.0は通貨以外の金融分野

お金以外の金融分野でBlockchainを応用していくことをBlockchain2.0と分類しています。

2.0の分野ではすでにBlockchain技術を利用して様々なサービスが立ち上がっています。

例えば、最近では未公開株式取引システム、ローン、クラウドファウンディングなどにも応用されています。

Blockchain2.0には、「スマートコントラクト」という代表的な技術があります。最初に登場した、ビットコインのBlockchain技術には、自動的に決済や価値移動を行う機能は付いていませんでした。

しかし、スマートコントラクトは、Blockchain上の取引の実行や決済を、自動的に行うことができる技術です。

プログラムが自動的に実行される、そして改ざんや不正ができない、この二つの特徴を兼ね備えているスマートコントラクトは、様々な分野での応用に期待されています。

仮想通貨では、時価総額がビットコインについで世界2位のイーサリアムが、このスマートコントラクトの技術を利用しています。

・Blockchain3.0は金融以外の分野

Blockchainは安全性が非常に高く、不正や改ざんができない点が非常に高く評価されており、金融以外の分野でも活用が期待されています。

通貨や金融以外の分野で、プラットフォームとしてBlockchainを幅広く応用していくことをBlockchain3.0と呼びます。

例えば、科学技術、医療、食品などの分野では、すでにBlockchainを活用したサービスや研究が世界中で広がっています。

 

Blockchainの応用で期待されていること

ここからは、Blockchain技術の応用でどんなサービスが生まれているかをご紹介します。

併せて、そのサービスによって世の中がどのように変わっていくことが期待されているかをご紹介します。

 ・国際送金の手数料を限りなく安く

これまで国際送金は、時差や為替の問題がありました。加えて、複数の金融機関を介して行われていたので、高い手数料が必要なことが欠点でした。

しかし、Blockchainの送金技術を使えば、国境に関係なく、個人間でリアルタイムで送金が済んでしまいます。しかも手数料は格安で済んでしまいます。

仮想通貨での国際送金はもちろん可能ですが、現在は、円やドル、ユーロなどの法定通貨での送金サービスも始まっています。

世の中にこのようなサービスが浸透していけば、将来的には送金の際に銀行を介す必要がなくなるかもしれません。

・証券取引の安全を担保しながら手数料を下げる

現在も株式取引は電子化されていますが、安全性を担保するために証券会社は多額の資金をかけて作ったシステムで、株式を集中管理しています。

このシステムをBlockchainに置き換えると、安全性、正確性が担保されるのはもちろんのこと、大幅なコストダウンにつながります。

この技術が証券会社で浸透すれば、投資家はより安い手数料で株式投資ができるようになると言われています。

・物流管理に活用し、消費者がより安心できるように

Blockchainは不正や書き換えができない台帳であることから、物流の世界で記録を残す手段としても需要があります。

例えば、過去には日本でも、食品の産地の偽装や、賞味期限の書き換えなどが問題になりました。

しかし、食品が顧客の手元に届くまでの記録が、書き換え不可なブロックチェーン状に残っていれば、そのような事件は起こらなくなります。

また、国をまたいで展開をするブランド商品の流通の場合、一つの国ごとに管理機関を置く必要がありました。

この場合も、Blockchainの技術により一つの台帳で全てを管理できれば、国際的な流通でも大幅なコストダウンが見込めます。

さらに、商品が本物であるという証明も同時にできます。

このように、物流の分野でもBlockchainの相性は良く、活用のための研究が進められています。

・登記など煩雑な手続きを簡単に

不動産売買や、法人設立などの際に必ず必要な登記手続きは、専門知識も必要で、手続きも煩雑なため、時間と手間がかかるものです。

しかし、この登記の分野でもblockchain技術は注目されており、すでにベンチャー起業などがサービスを開始しています。

これまでの登記は、必要書類の準備をして法務局に出向く必要があり、場合によっては完了まで数週間かかっていました。

Blockchain技術を使ったシステムが開発されれば、ほぼ瞬時に登記ができるようになると言われています。

大幅な効率化によって、人件費やシステム運用費も縮小できるので、登記を処理する側の政府が、この技術を大々的に採用する日も近いかもしれません。

・医療カルテを共有できればより診療に役立つ

今の医療では、カルテは病院ごとに記録される仕組みになっています。

このカルテ情報や医療データをBlockchain技術によって、別の医療機関でも確認できるよう、共有できるデータにする研究が進んでいます。

この仕組みができれば、いつもと違う病院に行っても、アレルギーや既往歴が共有されるので、適切な医療を受けることができます。

何らかの事故で救急搬送されても、過去の既往歴や血液型などのデータがすぐにわかれば、より迅速に処置をしてもらえるでしょう。

実現にはまだ時間がかかるかもしれませんが、医療分野でもBlockchainは身近なものになっていくでしょう。

 ・国家戦略や都市計画にも

IT先進国と呼ばれるエストニアでは、すでに政府主導でBlockchainが様々な場面で試験的に利用されています。

まずは、医療分野で改革が進んでおり、医療カルテをBlockchain技術で管理することや、処方箋のうけつけ、保険請求などもネット上で完結します。

Blockchainを含むIT技術を使って、すでに国全体をITで管理する仕組みを作り上げています。

世界ではエストニア以外でも、Blockchainを使って公共サービスや政府機能を管理する研究を進めている国がたくさんあります。

中国は、仮想通貨の規制が激しい一方で、Blockchain技術の特許数が実は世界1位です。現在、Blockchainや人工知能を活用した都市計画やID認証システムの開発に力を入れています。

Blockchainの技術をベースにして、ID認証が出来るシステム開発がプロジェクトとしてすでに進行中しており、すべての国民がBlockchain上に登録される日も近いのかもしれません。

 

まとめ

Blockchainは、様々な分野でビジネス革新を起こすことを期待されています。

今後さらにBlockchainの研究や技術革新が進めば、私たちの生活がよりよく便利になっていくことが期待されます。

今ままだBlockchainにあまり馴染みがない方でも、ニュースや新聞に注目をしておくと面白いかもしれません。

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