ブロックチェーンのサービス

2019.03.08 [金]

ブロックチェーンの革新的な技術を応用したサービス事例15選

ブロックチェーンといえば仮想通貨の技術というイメージが強い人も多いのではないでしょうか。

しかし、近年ではブロックチェーン技術を応用したサービスが仮想通貨の決済の領域を超え、様々な分野で急速に活用され始めています。

今回は、ブロックチェーン技術を応用している15の事例をご紹介します。

 
支払いやポイントで使用されるブロックチェーンサービス

1.法定通貨の送金にも応用

ブロックチェーンといえば、仮想通貨の送金技術として登場しましたが、最近は仮想通貨にとどまらず、ドルやユーロ、円などの法定通貨送金にも応用されています。

代表的なサービスに「veem」というものがあります。国際送金を仲介するサービスとして、主に中小企業にプラットフォームを提供しています。これまで国際送金といえば、高額な手数料や為替の問題、送金に日数がかかるなど様々な不便がありましたが、ブロックチェーン技術を採用することで、これらを解消する画期的なサービスです。

SBIグループが出資したことでも注目されています。

参照リンク:https://www.veem.com/

2.ポイントサービスにも活用

日立ソリューションズが展開するポイント管理システムPointInfinityでもブロックチェーン技術が検証されています。

PointInfinityは大規模なポイント管理システムで、主に会員制ビジネスを行う企業に提供されています。

多くの買い物サイトではポイントがつくサービスがありますが、セールなどで注文が集中するとどうしてもポイント処理に高負荷がかかってしまいます。しかし、分散型ブロックチェーンの技術は高い負荷にも強く、スムーズなポイント付与が行われるのです。

参照リンク:https://www.hitachi-solutions.co.jp/pointinfinity/

 

不動産取引で使用されるブロックチェーンサービス

3.不動産情報管理システムに活用

不動産の売買は多くのプロセスを踏む必要があります。専門的な知識、または登記が必要だったりと、とても手間がかかるものです。

しかしブロックチェーンが介在することで、これらの手間を省くことができる未来が近くまで来ているかもしれません。

日本の大手住宅メーカー積水ハウスは仮想通貨取引所のbitFlyerと共同で、ブロックチェーン技術を応用した不動産情報管理システムを作っています。

煩雑になりがちな不動産取引の透明性や利便性の向上を目的にしたシステムを開発し、ビジネス展開を行なっていく方針です。

本格的にブロックチェーン技術を使った不動産分野でのビジネス開始はこれが世界初と言われています。

参照リンク:https://www.sekisuihouse.co.jp/sustainable/recycling/objective1_8/index.html

4.不動産業者なしに個人間の不動産取引ができるようになる技術

REXというサービスでは、ブロックチェーン技術を使って不動産取引を行えるようにしています。

ブロックチェーンを使うことで、契約書や取引金額に不正ができないメリットや送金のスピードにストレスがなくなるなどの大きなメリットがあります。

このようなプラットフォームが世の中に浸透すれば、不動産の取引は個人間で済み、不動産の仲介が不要な時代が来るかもしれません。

 

食品管理や農業支援で使用されるブロックチェーンサービス

5.無農薬野菜の管理

食品管理や農業の分野でもブロックチェーン技術による取り組みが始まっています。

宮崎県宮崎市の山間地域にある綾町では、無農薬野菜の生産履歴をブロックチェーンで管理しています。

ブロックチェーン上では、土壌検査の結果や収穫日、野菜の種の購入先、生産者情報などが写真付きで管理されています。

この面白い取り組みや質のいい無農薬野菜の生産に興味を持って若い世代の移住者も増えています。生産された無農薬野菜はふるさと納税の返礼品としても人気です。

6.スーパーの食品衛生管理に活用

アメリカのスーパー大手ウォルマートでも、いち早くブロックチェーン技術が採用されています。

近年、アメリカでは大腸菌ウィルスによる食品汚染が問題になっているため、食の安全管理体制の質向上が急務となっています。

そこで、ウォルマートでは、契約しているレタス農家のレタスの生産情報を、ブロックチェーン状に記載して管理しています。これにより野菜の流通における透明性が高まり、基本的な安全性が上がったほか、万が一問題が起こった際にも、すぐに原因を突き止めることができる体制が整っています。

7.オレンジジュースの生産工程を記録

オランダでは、スーパーマーケット大手のAlbertHeijn(アルバート・ハイン)が、取り扱っているオレンジジュースの品質保障のためにブロックチェーン技術を使っています。

国外のオレンジ農家の情報から始まり、加工業者や運送業者などの生産の工程の様々な情報がブロックチェーンを使ったシスデム上で管理されています。

8.エチオピアのコーヒー農業でアグリテック農業を推進

アグリテックとは、「農業(Agriculture)」と「テクノロジー(Technology)」を組み合わせた造語でブロックチェーン技術を農業に生かしていくことが表明されています。

このプロジェクトではCARDANO(カルダノ)というブロックチェーン技術を駆使してコーヒーの生産過程、流通過程の情報を管理します。

それにより安心で安全なコーヒーを消費者に届けることを目的としています。

 

データや作品の証明で使用されるブロックチェーンサービス

9.2人の愛の証明ができるアプリ

決済や不動産、農業管理以外にも、ブロックチェーン技術は面白い場面で活用がされています。例えば、改ざんすることができないブロックチェーン上でカップルの愛の証明ができるアプリがあります。

SoulGem(ソウルジェム)というアプリですが、ブロックチェーンに交際や結婚などの記録を登録でき、恋愛証明書や結婚証明書が発行できます。

“改ざんすることができない”ブロックチェーンの特徴を生かした面白いアイディアのサービスです。

参照リンク:http://sivira.co/soulgem-ja.html

10.アート作品の偽物防止に活用

絵画やアートは偽物が出回りやすいものですが、ブロックチェーン技術を使うことで偽物防止にも役立ちます。

アメリカで開発されたverisart(ベリサート)は、アート作品の画像データをブロックチェーン上に保存することで、偽物と本物を見分けることに役立ちます。

iTunesから誰でもアプリをダウンロードすることができます。

参照リンク:https://verisart.com/

 

個人の特定や履歴書管理で使用されるブロックチェーンサービス

11.個人の特定にブロックチェーンを活用

個人認証にもブロックチェーンが応用されています。

例えば、個人認証アプリ「Blocknotary」では、あらかじめ決められた質問に答えるだけで個人が特定できますが、その技術にブロックチェーンが活用されています。ID確認や詐欺の防止、クレジットカードの認証作業もできます。

参照リンク:https://www.blocknotary.com/

12.履歴書管理に活用

ブロックチェーン技術を用いることで履歴書や職務経歴書、卒業証明書の管理についての研究も進んでいます。

これにより近い将来、経歴詐称が起こらない世の中になりそうです。

日本では、リクルートテクノロジーズ社が検証を行っています。ブロックチェーンによって個人の履歴書や職務経歴書を管理することによって経歴詐称を減らし、個人の転職もしやすくなるような仕組みを検証しているようです。

現在検証されているのは、転職活動に必要な履歴書、職務経歴書、卒業証明書などをデータベースに登録して管理をするシステムのようです。

13.在学や卒業証明に大学側が活用

また、オーストラリアのメルボルン大学では、学生がメルボルン大学を在学、卒業したかどうかを確認・証明できるシステムを導入しています。

これは、改ざんができないブロックチェーンの仕組みを生かした画期的なものです。

 

分散型インターネットで使用されるブロックチェーンサービス

14.インターネットをも非中央政権的なものへ変えるブロックチェーン

基本的なブロックチェーンの仕組みは中央に管理機関がなく、分散型です。一方で、インターネットは基本的に特定の組織や企業に多くの機能が集まってしまっており、分散型ではありません。

しかし、近年注目されているのが分散型のインターネットです。

その分散型インターネットのシステムを構築するために、ブロックチェーン技術が応用されています。

BLOCKSTACKというサービスでは、インターネット上の中央の管理機関部分を削除し、インターネットの安全性の強化を目指しています。

中央の管理部分に機能が集中している状態だと、その部分を狙われてしまうことでインターネット全体が脅威となってしまうためです。

このように、ブロックチェーンはインターネットの強化にも役立つ技術として取り入れられています。

参照リンク:https://blockstack.org/

 

国家戦略で使用されるブロックチェーンサービス

15.ブロックチェーン技術をインフラとして使うエストニア

日本ではまだまだ国としてブロックチェーンを積極的に取り入れていませんが、行政の仕組みや国家戦略で既にブロックチェーン技術を取り入れている国もあります。

例えば、エストニアの事例を見れば、ブロックチェーンやITが国家に普及した後の未来を見ているような気持ちになります。

税金のシステムや登記、免許更新など面倒な手続きが多い部分をIT技術を駆使して効率化することが研究されています。

その他にも、国民の医療データ(電子カルテ)をブロックチェーンで管理し、既往歴やアレルギーなどを閲覧できるようにしています。これらは政府主導に進められており、行政や国民にかかる負担を大きく削減し効率化することに成功しています。

 

まとめ

 ブロックチェーンの“データの改ざんができない”という大きな特徴は、様々な場面で需要があります。

そのため、今回ご紹介したように、世界中の食品管理、送金、不動産、国家戦略などありとあらゆる分野でブロックチェーンの活用が始まっています。

今、世界中で、ブロックチェーン技術者の需要が増えています。今後さらに技術者が増え、ブロッックチェーンの研究や開発進めば、世界の仕組み大きな変化を起こしてくれるかもしれません。

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