仮想通貨

2019.03.08 [金]

仮想通貨とは何か?基礎知識や仕組みについて解説します

一時期かなりニュースなどにも取り上げられ、大きな話題となっていた「仮想通貨」。
2017年4月には「改正資金決済法」の施行もあり、ますます仮想通貨は私たちの生活のそばに近づいてきています。

ここでは仮想通貨の基礎知識や仕組みについて解説をしますので、今はまだ仮想通貨に関わったことのない人も、ぜひご覧になってください。

※注 現在は「仮想通貨」を「暗号資産」に呼称変更されておりますが、本記事では一般に定着・浸透している名称の仮想通貨で記載しております。

 

仮想通貨と法定通貨・電子マネーの違いについて

仮想通貨とはその言葉の通り「仮想」の「通貨」です。通貨ですので、円やドルなどのいわゆる法定通貨や電子マネーと同じ「お金」です。
お金ですので、物やサービスの対価として支払いを行うことができるものです。

またお金ですので、円やドルのように通貨単位も存在します。仮想通貨の中でも代表的なビットコインでは、通貨単位が1BTCと表記されます。

では、法定通貨や電子マネーとの違いは何なのでしょうか?まず仮想通貨との違いを説明するうえで、「仮想世界の通貨」と「実世界の通貨」で一旦分けると理解しやすいかもしれません。

実世界ではユーロなどの一部の例外を除くと国境で分けられた「国」単位で通貨が異なり、その国の中央組織が管理・発行した通貨を使用します。電子マネーもその国の銀行に預けてある通貨を電子決済できる端末に移動し、紙幣や硬貨を使わず電子的に決済しているだけなので、法定通貨とは形が違うだけで、ほぼ一緒と考えることができます。

仮想通貨はどうでしょうか?仮想世界はインターネット上で個人間取引が完結し、特定の国家による価値の保証を持たない通貨です。つまりインターネット上でのやり取りでの「交換する媒体」であると言えます。また仮想世界の通貨なので、物理的な実体もありません。

しかし、仮想通貨は実世界の通貨でできる交換、決済、送金、融資等のほぼ全てのことができるのです。
例えばビットコインを持っていたら、ビットコインを使えるお店でしたら両替せず地球の反対の国の商品を買うことができますし、友人に仮想通貨を送金することも可能です。

また、仮想通貨の大きな特徴の一つとして、暗号化技術があります。
暗号化によるセキュリティにより仮想通貨の偽造や二重払いなどの通貨の基本的な問題を回避することができています。
安全性を確保する技術が仮想通貨に使用されていることから、アメリカでは仮想通貨のことを「暗号通貨(クリプトカレンシー)」と呼んでいます。

 

仮想通貨のメリット・デメリット

仮想通貨はボラティリティが高く、投資として魅力的ですが、一方で価格変動が大きくハイリスクハイリターンなため投機性が高いという側面があります。

しかしこの大きな利益を上げられる可能性を秘めているという点は、仮想通貨の最大の魅力です。

仮想通貨は「ビットコイン」とビットコイン以外の「アルトコイン」に分けられますが、アルトコインの中には1年前に比べ価値が10倍以上になっているものも珍しくありません。
投資対象としてみたときに、これほどリターンが魅力的な投資先はなかなか無いのではないでしょうか。

しかもFXや株式に比べ少額から始めることができるため「試しにちょっとやってみよう」程度の気持ちでも簡単に始めることが可能です。

また、円やドルなどは中央銀行が管理しているため、流通量が変化しインフレなどの危険性がありますが、仮想通貨は国が管理しているわけではなく、埋蔵量も決まっているので、そのもの自体に価値がある通貨です。
イメージとしては「金」のような感じなのでリスク回避のための分散投資としても使えるというメリットがあります。

仮想通貨のデメリットとしては、普及するのに時間がかかるという点です。

特に日本では「円」に対して絶対的な信頼を寄せている部分があるので、どうしても仮想通貨の浸透は遅れがちとなってしまっています。

浸透が遅れれば、仮想通貨を決済として使える店舗もなかなか増えてきません。
店舗が増えないと興味を持つ人も増えませんね。今後、時代の流れや世界の動きに応じて日本も仮想通貨にどんどん対応していけると一気に拡がるかもしれません。

 

仮想通貨の代表的な種類について

仮想通貨は前述した通りビットコインとビットコイン以外のアルトコインに分かれています。アルトコインは現在少なく見積もっても1000種類以上あると言われています。なぜこんなに多くのアルトコインが存在するのかというと、一番最初に世の中に出てきたビットコインの全てのプログラムが公開されているからです。

ビットコインは中央管理者が存在せず、ビットコインに参加しているコンピューターそれぞれにプログラムをインストールして稼働しているので、ちょっと知識と技術がある人ならばビットコインのプログラムを調べて手を加えることで、新しい仮想通貨を作成することができてしまいます。

ここではそんなたくさんある仮想通貨の中から代表的な種類についてご紹介していきます。

ビットコイン

暗号学を学んでいる人たちのメーリングリストに「ナカモトサトシ」という名前で「P2P電子マネーシステム」という設計図が投稿されたのがビットコインの始まりです。
この「ナカモトサトシ」という人は今でも正体不明らしいのですが、暗号技術を活用し、中央集権ではない情報分散型で安全性を保っていくという斬新なアイデアに惹かれたエンジニアが、設計図に沿って作成したソフトウェアがビットコインです。

世の中にある仮想通貨は、ほとんどがビットコインから派生して生まれたといっても過言ではありません。

イーサリアム

アルトコインの代表格と言えるイーサリアムは、ブロックの生成時間がビットコインに比べ圧倒的に早いです。
ビットコインでは約10分掛かるのに対し、イーサリアムでは15秒~17秒くらいなので、ユーザーにとっては利便性が高いと言えます。

またイーサリアムの特徴として「スマートコントラクト」という言葉がよく使われます。
ビットコインではどこからどこに送金したという送金情報だけが記録されますが、イーサリアムのスマートコントラクトでは、送金情報に加え、様々な情報を追加して記録できる仕組みになっています。

リップル

リップルは仮想通貨ですが、ビットコインとは開発の意図が異なり、現在の銀行システムや通貨システムをより効率的にしようという意図で開発されました。
開発したのはリップル社であり、今後世界中の銀行と協力しながら更なる開発を進めていけば、単なる仮想通貨の枠を超えて、世界経済全体のインフラを支えるような会社・システムに発展していくかもしれません。

 

仮想通貨の主な用途について

仮想通貨の主な用途は以下の通りです。

資産運用

取引所で仮想通貨を購入し、価値の上昇で利益を得る方法です。
仮想通貨の種類によっては価格変動がかなり大きいものもあり、ハイリスクハイリターンな投資になってしまう危険性もありますが、逆にボラティリティが高いという事は、上昇トレンドの時は莫大な利益を得ることができるので大きな魅力の一つです。

公共料金の支払い

電気などの公共料金にも仮想通貨が利用できるケースが増えてきています。

電気・ガスの自由化によって、これまで参入できなかった民間企業がなだれ込むように参入しており、他社との差別化を図る意味で仮想通貨による支払いを受け付けている企業も増えています。

これからも仮想通貨の普及の仕方によっては、さらに公共料金の仮想通貨払いが全国的に増えてくるかもしれませんね。

買い物や飲食代などの決済

電子マネーの方が先行していますが、逆にそれが良い方向に動き、多種多様な支払方法を受け入れる店舗が増えてきています。
ビットコインで決済できるお店として有名なのがビッグカメラです。
他にも東京や大阪などの主要都市では、飲食店やサロン、マッサージ店など仮想通貨で決済できるお店が増えてきています。

首都圏に比べ地方では浸透が遅れていますが、これからどんどん拡がっていく様相です。

寄付などの送金

友人や家族に送金できるのはもちろん、仮想通貨を利用し寄付を行うことも可能です。
仮想通貨で得た利益を困っている人のために活用することができ、社会貢献にもつながります。

仮想通貨の課題と今後の未来

仮想通貨は一時期のバブルのような盛り上がり時期から少し落ち着き、現実的に活用できる通貨としての価値を少しずつ高めています。

今後は様々なシーンで仮想通貨が利用できるように、理解と浸透が必要となってきます。
どんなに優れた通貨でも、使用シーンが限られる状態では利用価値は上がりません。

まずは身近な飲食店やショップなどで決済ができるお店が増えていくことが、今後の課題となっていくことでしょう。

 

まとめ

仮想通貨に対して「あやしい」「怖い」などのネガティブな感覚を持つ人も、まずは仮想通貨の仕組みを理解をすることが必要でです。

今後、さらにグローバルな社会へと進んでいくで、国境のない仮想通貨は間違いなく拡がっていくものです。簡単で便利、そして楽しい仮想通貨を試してみてください。

この記事をシェア