ビットコイン(BTC)は、その価値が上がるよう、また世の中に通貨として浸透していくように発行枚数の上限が定められています。
目次
ビットコイン(BTC)の枚数は限りがある
日本円やアメリカドルなどの法定通貨には発行上限はありません。
一方で、ビットコイン(BTC)は2100万枚、リップル(XRP)は1000億枚と、仮想通貨には発行の上限額が決まっているものが多くあります。
この発行枚数の上限は、通貨の開発者がそれぞれ自由に決めることができるため、仮想通貨によってばらつきがあります。
※注 現在は「仮想通貨」を「暗号資産」に呼称変更されておりますが、本編では一般に定着・浸透している名称の仮想通貨で記載しております。
発行枚数に上限があるメリットとは?
メリット1 通貨価値の調整ができる
ビットコイン(BTC)をはじめとして、仮想通貨の発行枚数に上限が設けられている理由は、通貨価値の調整をするためです。
日本円に置き換えて考えてみましょう。例えば、日銀が円をたくさん発行したとします。そうすると世の中に円の通貨量が増えすぎてしまい、日本円の価値が下がると同時に、物価が上がりインフレを起こしてしまいます。
仮想通貨も同様で、その通貨の流通量が増えてしまうことで、その通貨の価値が落ちてしまいます。
日本円の場合には、日本銀行という中央機関によって通貨量がコントロールされていますので発行枚数はありません。
しかし仮想通貨の場合には、コントロールタワーとなって統制をとるための機関が存在しません。そのため、発行枚数に上限が決められており、通貨価値が下がらないような仕組みになっているのです。
メリット2 投資家にとってのメリット
投資家にとっても、ビットコイン(BTC)に発行枚数上限があることによって、所有している通貨の価値が下がりにくくなり、メリットとなります。
今後ビットコイン(BTC)のシェアがさらに広がっていけば、発行上限があることによって生まれる希少性によって、通貨の価値が、どんどん高まっていくことが期待できるでしょう。
また、ビットコインの発行枚数の上限は2100万枚と、他の仮想通貨と比べても上限数が少なく設定されています。発行されている数が少ない通貨は、それだけでプレミア性が高く、発行枚数が多い通貨よりも価格が上昇しやすい傾向があります。生産量が少ないスニーカーやバッグなどが、その希少性から発売価格以上のプレミア価格になるのと同じ原理ですね。
ビットコイン(BTC)が上限に達したとき何が起こる?
ビットコイン(BTC)が上限に達するまで
ビットコインの発行枚数の上限は、2100万枚と他の仮想通貨と比べても上限数が少なく設定されています。既に発行上限の約80%の1700万枚弱が発行されており、2030年を過ぎたあたりで99%が発行済となる予定です。その後、最後の1%が少しずつ発行されていくと考えられており、最終的に上限に達するのは2100年以降と考えられています。
最後の1%になってからは時間がかかるようですが、あと10年ちょっとでほぼほぼ上限に到達する見込みですね。
上限に達すると手に入らなくなる?
上限に達してしまうと、手に入れることができなくなるのではと思われがちですが、発行枚数が2100万枚に達しても、ビットコイン(BTC)が手にはいらなくなるわけではありません。
仮想通貨取引所でも、売りたい人と買いたい人の需要と供給が合うことで、取引が成立します。ビットコインは(BTC)数が限られた通貨ではありますが、売りたい人がいる限り手に入れることは可能なのです。
上限に達するとマイニングはどうなるのか
また、ビットコインが上限に達するとマイニングが行われないのではないかと思われますが、マイニングも引き続き行われていくでしょう。
ここでマイニングのおさらいですが、マイニングとは、簡単に言えば「取引を承認する作業」のことです。
仮想通貨はブロックチェーン技術によって成り立っています。マイニングを行う人であるマイナーは、不正な取引や間違いがないか、ブロックチェーンに書き込まれている取引情報を確認して承認を行います。
ビットコイン(BTC)の場合、マイニングを行った報酬として、これまではブロックチェーンの一つのブロックごとに12.5BTCが支払われていました。
ビットコインの発行が上限に達してしまうと、報酬がこれまでどおり払われなくなりますが、マイニング(承認作業)が行われなくなることはありません。報酬は最終的には送金者からの手数料のうちから支払われることになります。
そのため、ビットコインの発行数が上限に達すれば、報酬が減ることによって、マイニングを行うマイナーの数が減ってしまうことや、送金手数料が高騰してしまう懸念があります。
ビットコイン(BTC)は発行量の上限と半減期によって工夫されている
ビットコインの半減期
ビットコインは、価格調整のために、発行の上限数が設定されているとご紹介しました。
また、マイニングが行われると、マイナーにビットコインが報酬として支払われることになっていました。
マイナーがマイニングを行う=ビットコインの発行数が増えるという図式が出来上がりますよね。
そうすると、たくさんのマイナーが急激にマイニングを行ってしまうと、ビットコインの発行が急激に行われ、上限数にすぐに達してしまう可能性があります。
しかし、そういった事態を防ぐために、実はマイニングの報酬が段階的に減っていく仕組みが設けられています。
ある時期になるとマイニングの報酬が半減していく仕組みで、そのタイミングを「半減期」と呼びます。
実際に、ビットコインが登場した当初は、マイニング報酬は50BTCでした。
その後2012年ごろに半減期を迎え25BTCになり、そして現在は12.5BTCとなっています。
半減期を迎えるタイミングは、あらかじめビットコイン(BTC)にプログラミングされています。そのタイミングは、時期やビットコイン(BTC)の発行数ではなく、ブロックチェーンのブロックの生成数によって定めされています。
具体的には、半減期は21万ブロックに一度と決まっているのですが、21万ブロックとはどれくらいなのかは見当もつかないですよね。これまでは、おおよそ4年に一度の半減期が来ているようです。次回も半減期は、2020年〜2021年が有力なようです。
このようにビットコインは、上限数が定められてることや、半減期が設定されていることでその価値がずっと続いていくように工夫されているのです。
マイニングが行われる時期は価格高騰しやすい
このマイニングの半減期は、マイニングができる人だけに関係する話ではありません。
実は、マイニングのタイミングでは、ビットコインの価格が高騰する可能性が高く、ビットコイン投資をしている人は、利益を出すために非常に狙い目の時期なのです。
最近では2016年にビットコインの半減期がありました。その際には、半減期の数ヶ月前から価格が上昇し、半減期のあたりででは利確のためか価格が乱高下しましたが、最終的には半減期の前後では約30%以上の価格上昇で落ち着いています。
こればビットコイン(BTC)だけではなく、他の仮想通貨でも同じように半減期後に価格が上昇している傾向があります。
なぜこのように半減期前後で仮想通貨の価格上昇があるのかというと、半減期後には、ビットコイン(BTC)が市場に新しく出回る数が、大きく減ることになります。そうすると需要と供給のバランスから、ビットコイン(BTC)の価値が上昇すると言われているからです。
半減期と上限数があることで世の中に通貨として浸透していく
この半減期の仕組みによって、100年以上かけてビットコインはゆっくりと発行上限に近づいていくこととなります。
発行数の上限と半減期がプログラミングされていることによって、ビットコインの価格は下がりにくく、安定して通貨として浸透していくように意図されていることが伺えます。
仮想通貨市場は、2018年以降少々盛り下がっていますが、それでもビットコインの価格は30万円代後半を推移しています。
必ずしも、次の半減期に価格が上がると断言はできません。
しかし、このような製作者の工夫を知れば、ビットコイン(BTC)は長い期間をかけてその価値を上げていくのではと期待ができるのではないでしょうか。