bitcoin2

2019.03.07 [木]

ビットコイン(BTC)とは何か?基礎知識や仕組みについて解説します

数年前から何かと話題になっている仮想通貨ですが、皆さんは仮想通貨の仕組みやメリット、デメリットをご存知でしょうか?

ここでは仮想通貨の中でも代表的なビットコインの基本的な仕組みやメリット、デメリットについて分かりやすく解説をしていきます。

※注 現在は「仮想通貨」を「暗号資産」に呼称変更されておりますが、本記事では一般に定着・浸透している名称の仮想通貨で記載しております。

ビットコイン(BTC)とは何?歴史や始まりについて

そもそもビットコインとは何なのでしょうか?

一言でいうと「インターネット上で取引できる仮想の通貨」のことです。
「仮想」ですが「通貨」であるので、円やドルと同じようにお金であることには変わりません。

またお金なので円やドルと同じように通貨単位があります。

ビットコインの通貨単位は「BTC」で表記され、1円、1ドルと同じように1ビットコインと数えます。
しかし「仮想」なので手に取ることはできず、形としては存在しない「仮想」の「通貨」なのです。

ビットコインの歴史を辿っていくと、ある日本人の名前が浮かび上がってきます。「ナカモトサトシ」さんという方です。
この「ナカモトサトシ」さんのハンドルネームで2008年10月に「P2P電子マネーシステム」というアイデアが、暗号学を学んでいる人たちのメーリングリストに投稿されたのが、ビットコインの始まりでした。

この「ナカモトサトシ」さんは、その後2010年ごろに暗号学のメーリングリストから姿を消してしまいました。ナカモトさんはいったい誰なのか?本当に日本人なのか?本当の性別すら分からず、その素性は今現在も謎のままです。

そしてこのナカモトサトシさんの論文を読んだエンジニアたちが、通貨の常識を覆す斬新なアイデアに衝撃を受け、そのシステムに賛同し動き始めます。

論文が投稿されてから3か月後の2009年1月に、ナカモトさんのアイデアに基づいたソフトウェアが製作され、最初の取引が行われました。
その翌年にはビットコインを両替することができる取引所が誕生し、実社会でビットコインの取引が行えるようになっていきました。

 

ビットコイン(BTC)の基本的な仕組み

ビットコインは通常の通貨と同じように、個人間や企業間を問わず、モノやサービスの対価として支払いをすることができますが、既存の円やドルとの決定的な違いは、通貨を管理する「中央銀行」が存在しないという事です。

ビットコインの最大の特徴ともいえる部分ですが、国家や企業が運営しているものではありませんので、円やドルと同じ通貨ではありますが、どの国も企業もビットコインの発行や流通には関与していないのです。

では誰が管理しているのでしょうか?管理者がいない通貨など普通に考えたら信用できるものではありません。しかしビットコインが今日に至る拡がり方を見せている最大の理由は、実はこの管理方法にあるのです。

まず誰が管理しているのかという部分ですが、円やドルのように中央で管理をするのではなく、コンピューターのネットワークを使って通貨を管理する仕組みとなっています。

ビットコインの取引情報や新しい通貨の発行などは、全てコンピューターネットワーク上に分散されて情報が保存される仕組みとなっており、イメージとしてはネット上にビットコインの全ての取引を記載した大きな取引台帳がある感じです。

この台帳に記載された情報に個人情報は含まれず、ビットコインの流通の整合性を保つための台帳であり、この可視化された記録のおかげで通貨の偽造や二重払いなどを防止することができるのです。

 

ビットコイン(BTC)のメリット・デメリット

<メリット>

ビットコインを利用するメリットとしては、個人間の送金が可能であることが挙げられます。
円やドルと違い銀行などの第三者機関を介する必要がないので、仲介手数料など掛からずに迅速に送金できるのは利用者にとってはありがたいことです。

同じく銀行などの第三者機関を介さないことによるメリットとして、中央管理者がいないので国という概念もビットコインには必要なく、海外に行っても両替する必要なく利用することが可能です。また24時間365日取引が可能という点もメリットであると言えます。

<デメリット>

ビットコインのデメリットは投機的側面が強いことが挙げられます。

ビットコインの価格変動は非常に激しいので、まだまだ通貨として安定しているとは言い難く、暴騰した際に売却することで利益を得ることは可能ですが、暴落し損失を出してしまうリスクも少なからずあります。

またビットコインの匿名性を悪用し、マネーロンダリングに利用されてしまう危険性もあります。
マネーロンダリングとは資金洗浄とも呼ばれているもので、犯罪行為や脱税で得た資金を偽名や匿名口座へ移したり、金融商品の取引を行い資金の出元を分からなくしてしまうことです。

ビットコインは匿名性があり、個人情報にたどり着くことはできませんので、犯罪組織がビットコインをマネーロンダリングの手段として悪用することは十分考えられます。

デメリットというよりは、ビットコインの今後の課題にあたる部分ですが、利用可能な場所がまだ少ない点が挙げられます。
ビットコインは世界共通で両替などする必要なく使える便利な通貨ですが、現在まだ決済方法として導入している店舗は多くありません。
今後身近なコンビニやスーパー、ネットショッピングでビットコインの決済ができるようになれば、更に拡がりを見せるかもしれませんね。

 

ビットコイン(BTC)のマイニングとは?意味から種類について

ビットコインにはマイニングという仕組みがあります。和訳すると「採掘」となり、このマイニングをすることにより報酬として新規発行したビットコインを手に入れることができます。

簡単に仕組みを説明すると、ビットコインの信頼性を保つために、その膨大な取引記録の計算をコンピューターの計算能力を提供して作業を手伝います。
そして作業の手伝いを行い、複雑な計算の正しい答えを導き出してくれた人に、その報酬として新規のビットコインが支払われるという仕組みです。

ビットコインのマイニングスタイルには大きく分けて、ソロマイニング、プールマイニング、クラウドマイニングの3つの種類があります。

マイニングのスタイルについて

○ソロマイニング
ソロマイニングとは、個人でマイニングをすることを指します。
個人でマイニングをするとなると、相当なコンピューターの知識が必要となり、更にものすごく高い電気代と高価なマイニングの機材を自分で揃えなければならないので、かなりハードルが高い方法です。

○プールマイニング
プールマイニングとは、自分のパソコンのパワーをネット経由で提供し、そのマシンパワーの大きさに応じた報酬額がもらえるという仕組みです。
プールマイニングであれば、自分で高価な機材をそろえる必要もありませんし、パソコン1台あれば誰でも始めることができます。

○クラウドマイニング
最後にクラウドマイニングは、大量の高性能な機材を揃えている企業や事業者と契約を行い、契約料を支払うことでハッシュパワーの一部を購入し、その見返りに報酬を得るという仕組みです。

プールマイニングと同様に自分で機材をそろえる必要はなく、先払いで契約料を支払うだけで良いのですが、契約料という投資額を上回る利益を得られれば良いですが、契約時よりも価格が下落してしまうと投資額を回収できないというリスクもある事を頭に入れておかなければいけません。

 

ビットコイン(BTC)のハードフォークとは?分裂の影響まで解説

ビットコインの技術改善、仕様変更のためにハードフォークというものがあります。
ハードフォークの対義語としてソフトフォークという言葉があり、どちらのフォークも「今までのルールや仕様を変更する方法」のことを指しています。

ソフトフォークでは今まで使用していたブロックチェーンの仕様を全てのブロックにおいて変更してしまおうという方法です。

ハードフォークでの変更は、「ある時点のブロック以降から変更しよう」という方法で、旧ブロックと新ブロックの互換性はなくなり、旧ブロックはそのままで新しいブロックから生まれ変わります。

しかし旧ブロックは取り残されたまま使えてしまい、新しいブロックもあるので2つに分裂してしまいます。

この分裂によってハッシュパワーも分散してしまい、最悪どちらかが無くなってしまうことも考えられます。

また、ハードフォークをしてしまうと、理論上どんな変更も可能という概念ができてしまう恐れがあります。
例えばビットコインの絶対ルールである「発行数上限2,100万枚」さえも理論上変更可能なのではないかという、ビットコインの信頼性にかかわる問題が起きてしまう可能性もあり、ハードフォークに反対する意見が多く出ています。

 

ビットコイン(BTC)から派生したアルトコインについて

仮想通貨といえばビットコインというくらい、世界的に大きなシェアを占めていますが、現在世界中に新しい仮想通貨がどんどん出てきています。
そんなビットコイン以外の仮想通貨をアルトコインと呼びますが、ここではいくつかのアルトコインをご紹介します。

・リップル
リップルはビットコインの分散型台帳技術による管理ではなく、リップル社により開発・管理されています。
2017年に大きく値上がりしたコインの一つで、みずほ銀行やSBIグループなどがリップルを使った海外送金の実証実験を行うなど、実用化に向けた動きがみられるアルトコインです。

・イーサリアム
ビットコインに次いで時価総額2位のアルトコインです。
世の中を更に便利にするために開発されたアルトコインで、その将来性は大きな注目を集めています。

・ライトコイン
ビットコインの特徴をなぞりつつ、より決済機能に特化させたコインです。
ビットコインでは新しいブロックが生成されるまで、つまり決済が確定するまで10分の時間がかかりますが、ライトコインはその4分の1の2.5分でできるよう調整されています。

 

まとめ

初めて世に出た仮想通貨であり、人気・時価総額ともにトップのビットコイン(BTC)。

仮想通貨を始めるなら、まず持っておきたいコインといえるかもしれません。
ビットコイン(BTC)は法定通貨に例えるならば世界のハードカレンシー(国際決済通貨)であるアメリカドルのような存在ではないでしょうか。

そのビットコイン(BTC)は、ご紹介したように2017年半ばあたりから頻繁にハードフォークを繰り返し、さまざまなアルトコインに分岐してきました。

本家であるビットコイン(BTC)と比べるとまだまだマイナーな存在ですが、将来の楽しみも大きいといえるかもしれません。

この記事をシェア