2020.05.05 [火]

徹底解説 ! 機械学習とは? AI (人工知能)やディープラーニングの違いについて

 

AI(人工知能)ブームの今、機械学習やディープラーニングという言葉をよく耳にします。
言葉は聞いたことがあっても、AIと機械学習の違いがわかる方は少ないと思います。
この記事では、機械学習が何か解説し、AIやディープラーニングとの違いを詳しく解説します。

機械学習とは

コンピュータプログラムが膨大なデータを学習し、未知のデータに対しても予測や分析を行えるようにする技術です。大量のデータに対して計算を繰り返すことにより、パターンを一般化できるようになりました。機械学習により、予測やデータ分析、画像処理など高い技術の実現が可能です。

また、機械学習はすでに私たちの生活に身近に関わっている事例も多く、今後、精度を上げることで更に技術が発展していきます。この予測や分析の精度は、人間がデータのどの部分が結果に影響を及ぼしているか(特徴量)を判断し、調整することで上げることができます。

 

そもそもAIって何?

AIと機械学習の違いAI(人工知能)の定義は、確立されている訳ではありません。専門家の共通認識は、多用な問題を解決する能力と言えます。AIは様々な学問分野の融合領域です。具体的には、ロボティクスや認知科学、脳科学、心理学、そして、この記事で取り上げる機械学習のように、様々な学問分野によって構成されます。

つまり、AIの一部として機械学習という技術(学問)が存在します。
人工知能(AI)=機械学習ではないので、この機会にしっかりと覚えておきましょう。

 

機械学習には様々な手法がある

教師あり学習

教師あり学習は、訓練データ(正解となるデータ)を与えて、そこに含まれる目的変数(求めたい結果)を予測する学習です。

教師あり学習に代表されるタスクは、「分類」と「回帰」です。これらは、課題とする目的変数の性質が異なります。

「分類」は、例えば、メールをスパムメールかそうじゃないメールかに分けるようなデータを複数のカテゴリに分ける時に利用します。

「回帰」は、例えば、土地情報から住宅価格などの連続した具体的な数値を求めたい時に利用します。

教師なし学習

教師なし学習は、目的変数を求めることがゴールでなく、ラベルのついていないデータ内の隠れたパターンを推論する学習です。

「正解」となるデータをもとに学習する教師あり学習に対し、教師なし学習は、正解となるデータを与えません。

教師なし学習に代表されるタスクは、クラスタリングです。クラスタリングは、多数のデータを複数のクラス(グループ)に分けることであり、今あるデータがどんなグループに分けられるかを推論することです。

例えば、ペットに関するデータが多数あり、そのデータを犬、猫に分けるような時に利用します。

強化学習

強化学習は、ある価値を最大化するための行動を取るように、機械に学習させ最適化するための技術です。望ましいとされる結果に対し、ある報酬を与えます。強化学習では、教師あり学習のように「正解」となるデータは与えられず、環境の一部の変化に基づく断片的な値でしかなく、どのような行動を取ったら最終的により大きな報酬を得られるかを見つけ出そうとします。

例えば、自動運転車が他の自動車と衝突することなく走行するための判断を最適化したい時に利用します。

 

機械学習とディープラーニングの違い

ここまで解説してきたように、機械学習はある目的を達成するための手段です。
ディープラーニング(深層学習)は、機械学習の一部です。ニューラルネットワークと呼ばれる人間の脳内にある神経細胞(ニューロン)を模したシステムをベースに、教師あり学習を行います。

これまで機械学習は、人間の手で学習データに含まれる特徴量(目的変数を求めるための要素)を定義し、コンピューターに読み込ませ、精度を上げていました。これに対して、ディープラーニングは、学習データからコンピューターが自動で特徴量を定義することができます。これにより、これまで以上の予測や分析精度が期待できるようになりましす。

 

機械学習にできること

機械学習は私たちの生活に身近になっています。機械学習は、様々な場面で使われていますので、ここで事例を紹介します。

ECサイトのレコメンド機能

ECサイトやWebサイトで、ユーザーにおすすめの商品やコンテンツを表示することが一般的になっています。機械学習により、膨大な量の購買データや行動データを学習させることができるので、ユーザーの行動履歴などに基づいたルールに従い関連性のある商品やコンテンツを表示させています。

この仕組みをレコメンドエンジンと言い、ECサイトの購買率や情報サイトのマッチング率を上げることに繋がります。最近では、動画サイトでおすすめ動画として、次に視聴する動画が表示されるのもこのレコメンドエンジンによる機能です。

最適な投資を提案してくれるロボアドバイザー

人工知能により資産運用をするロボアドバイザーという言葉を聞いたことがあると思います。ロボアドバイザーは、ユーザーが年収や年代、現在の金融資産の状況を入力することで、どのように資産運用をしていけばよいか教えてくれます。

もともと、金融業界は数字データが多く、機械学習により膨大な量のデータを読み込むことができます。金融工学に基づいた資産運用アルゴリズムを使い、ユーザーに最適な投資を提案することが可能です。

医療現場で医師をサポートするAI

機械学習で電子カルテなどのデータを学習させ、病気の診断をすることが可能です。海外では、アルツハイマー病やガン、糖尿病をAIによって診断したという事例もあります。

国内の有名な例では、医療用画像診断があります。機械学習で内視鏡やMRIで取得した画像を学習させ、腫瘍が良性か悪性かを判断する研究が今まさに行われています。

AIが医師の診断をサポートできると、医師の診断にかかる稼働時間が短くなるため、医師の不足問題が緩和されるかもしれません。

 

AIと機械学習の違いを正しく理解しよう

今回は機械学習について、AIやディープラーニングの違いに触れながら解説していきました。機械学習は、人間の頭脳活動を極限までシミュレートすることを目指した人工知能の研究において非常に重要です。

この記事を読んで、AIと機械学習の違いを正しく理解できたと思います。この機会に、機械学習をさらに学んでみましょう。

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