英会話学習といえば、どのようなイメージを持つでしょうか?
週に1度、仕事帰りに英会話教室に通うことや、自宅でSkypeを使って、オンライン英会話で学習する方法はよく知られています。
注目されている学習方法は、「AI搭載の英会話アプリ」です。
AIとは、Artificial Intelligenceの略称で、日本語で「人工知能」と言われています。
相手の言葉を理解し、推論して答えを導き出す、人間の脳の働きをロボットが再現するものです。
このAIを搭載したアプリで、英語力を伸ばすことができるのです。
AIの英会話アプリの特徴
AIの英会話アプリでは、AIが先生代わりになって、あなたと会話したり、発音が間違っている箇所を指摘してくれたり、単語テストを出してくれたり、学習スケジュールをチェックするなど、様々な機能で英語力アップを手伝ってくれます。
「旅行先」「日常会話」や「ビジネス」などの自分が必要としている状況に合わせて、シチュエーションやシナリオが組まれています。
それに沿ってAIが提示する会話内容を声に出して読み上げたり、自分で質問や回答を考えて話したりすることで、AIが会話を続けてくれます。
AIの強みとして、発音矯正があります。自分の発音のどこが違ってどこが合っているのかを細かく教えてもらえます。
アプリの強みとしては、自分の発音を録音して聞くことができるので、客観的に分かるという部分があります。
「発音が良くなると、音が聞き取れるようになり、リスニングも得意になる」という相乗効果もあります。
最近では、AIの英会話アプリは効果が認められ、一部の高校や大学の授業でも取り入れられています。
AIの英会話アプリのメリット・デメリット
AIの英会話アプリのメリット
・恥ずかしくない、気楽に話しやすい
ネイティブの先生から英語を学ぼうとする時、「この発音、変だと思われるかな」「文法に自信が無いから、恥ずかしい。
会話が続きにくい」など、ついつい相手の反応が気になって、英語を口にするのをためらうという状況があります。
ですが、英語は「とにかく口を動かして、慣れる」ことが重要です。せっかく時間とお金を割いて英会話を学習するのに、そういった遠慮は非常にもったいないですよね。
AIの英会話アプリなら相手は人工知能なので「先生が自分の英語をどう思うか」という気遣いが一切必要ありません。
「もう一度言ってください」と先生に頼まなくても、何度でも分からない部分を再生できたり、スピードを調整する機能がついているアプリもあります。
・時間や場所を選ばず学習できる
AI英会話のアプリでは、先生は人工知能です。
そのため24時間365日、スマートフォンがあれば通勤中、カフェで休憩中、自宅で寝る前と場所を問わずに利用できます。自分の学びたい時に学びたいペースで学習することができるのです。
Skypeなどのオンラインレッスンも自宅で好きな時間に予約できますが、実際は先生の都合もあるので、100%好きな時間というのは難しいです。
AI英会話なら、そういったスケジュール調整の手間は不要です。人工知能なら、先生のクオリティは一定なので、良い先生を探すという手間も省けます。
・費用を抑えられる。
AIの英会話アプリなら、無料で使えるものから、有料でも月額2,000円以内など、格安で利用することができます。
英会話教室であれば、グループレッスンでも50分で3,000円、マンツーマンレッスンなら10,000円以上が相場です。
月謝で考えれば、週に1度のグループレッスンでも10,000円近くは掛かってしまうでしょう。AI英会話アプリなら、かなりのコストを抑えることができます。
AIの英会話アプリのデメリット
・フリートークなど苦手分野もある
AIは日々進化していると言われていますが、やはり生身の人間との会話とは異なります。
AIの英会話アプリでは、ある程度決められたシナリオで話します。あなたの会話に対して、たとえば直前の話題と関連づけて話すことは苦手だったり、答えにくい質問には、すこしあいまいな答えを返してきたりする場合があります。
会話の柔軟さ、臨機応変さという部分が生身の人間とは異なると感じられるでしょう。
フリートークというよりは、「ロールプレイングの相手」といった印象かもしれません。トークの柔軟さは、人工知能の今後の進化に期待です。
・英会話が得意な上級者向けは物足りない?
AI英会話アプリは、「英会話にまだ自信が無い」「ネイティブと話すのは恥ずかしい」という、どちらかというと英会話初心者向けの人にはもちろん向いているといえますが、たとえば「TOIEC900点以上、英検準1級以上すでに持っている」「留学経験があり、ある程度英語力に自信がある」というような上級者に対してはどうでしょうか?
上級者の場合、特に無料版・トライアル版のAI英会話アプリで使える範囲での英語レベルでは物足りなく感じるかもしれません。
その場合は有料の高機能のものや、英語レベルも高いステージまで選択できるアプリが良いでしょう。
また、そういった上級者の方も、「昔資格は取ったけれど、最近は全然英語を使っていない」という方も多いです。
「英語は使わなければ忘れていく」能力なので、自分の会話・リスニングをキープするためにAI英会話アプリを使うのも方法の一つです。
「急な海外出張が入ったけれど、仕事が忙しくて英語を予習する時間がない」という場合にも、AI英会話アプリで、英語をさっと思い出すのに役立ちます。
中級者の人では、TOEICでいうと、700~800点未満の人であれば、「文法や熟語知識はあるけれど、会話やリスニングは苦手」という人も意外と多くいます。
そのような人でも、AI英会話アプリは十分効果を感じながら利用できるでしょう。
AI英会話アプリ一例
1.「Terra Talk(テラ トーク)」
参考URL;https://www.terratalk.rocks/
Terra Talkでは、1,000以上のロールプレイング形式での会話レッスンを通じて、英会話力を向上させていきます。
たとえば、「アメリカの空港の入国管理を旅行者になったつもりで突破する」など、ミッションをこなすためにAIと会話をしながら自信と実力が身につく構成になっています。
一部の高校などの学習機関、英語塾でも授業でTerra Talkを取り入れているという実績があり、注目されている英会話アプリの一つです。
コースは100種類あり、例えばワールドトラベラー、リクルーター、US渡航準備、英検面接対策、ソフトウェアエンジニア、駅員などの実用的なものから、民泊ホスト、音楽フェスなどユニークなコースもあります。
多彩なシチュエーションから、自分に合ったものを選択できます。音声の速度を調節できる機能もあり、リスニングが苦手な人も使いやすいでしょう。
個人利用ではスタンダードプランで月額1,950円、30日間無料で試すことができます。
他には主な機能として、以下のようなものもあります。
・発音コーチング機能」
発音記号、単語ごとに自分がどのくらいできているか、パーセンテージで表示してくれる発音コーチング機能。
・ボキャブラリービルダー
語彙ドリルを使って類義語を覚えたり、英単語同士の関係性や接続を学ぶことで、多読学習や会話練習での活用がスムーズになるように、工夫されています。
また、定着していない単語は何度も出題されるなど、個人の習熟度に合わせてペースを作ってくれます。
・マルチアクセントに対応
アメリカ英語とイギリス英語では、使う英単語が異なる場合がありますよね。
Terra Talkでは、ユーザーがどんなカリキュラムを使っているか判断し、行きたい国に合わせて、アメリカ・イギリス・オーストラリアの3つのアクセントから選ぶことができます。
2.「Speak buddy(スピークバディ)」
参考;https://www.speakbuddy.me/archives/6131
Speak buddyでは、自分が使いたい目的に合わせて「日常英会話」か「ビジネス」から選択できます。
英語のレベルを初級、初中級、中級、中上級、上級、最上級から選ぶことができるので、上級者の人も満足できるでしょう。
学習したい時間を15分、30分など自分の好きな時間にセットすれば、AIが自分にあった学習プランを展開してくれます。
AIとの会話では、100以上のシチュエーション、500以上のシナリオが用意されています。
たとえば、「ビジネス」の「日程調整」では、「会議の提案」「時間を伝える」「キャンセル」など、細かなシナリオが用意されていて、それぞれで必要なフレーズを学ぶことができます。
アプリにお任せして、提示してくれるカリキュラムに沿って学習を行うこともできますし、自分でシチュエーションを選択することもできます。
1カ月無料でトライアルすることができ、その後個人ユースの場合月額1,950円で利用することができます。Android、iPhoneどちらにも対応し、すでに100万人以上の人がダウンロードしています。
主な機能として、以下のようなものがあります。
・発音チェック
指定された文章を読み、発音が間違っている箇所を指摘してくれる機能。
発音記号レベルから指摘してくれ、自分の発音の録音が聞けるのでネイティブとの違いもすぐ分かります。
・穴埋めモード
よく使うフレーズ、会話練習した文章の穴埋めクイズで出題してくれるので、フレーズの暗記に役立ちます。
・英単語/熟語学習
会話に使う単語をクイズ感覚で学習できます。会話中に不明な単語があれば、アイコンを押すと、詳細な英語辞書が表示される機能も。
・リマインド機能
自分の学習状況を記録でき、定期的にリマインドしてくれるので、学習忘れの防止ができ、学習の継続をサポートしてくれます。
・フリートーク機能
AIとシチュエーションを問わず自由に話せるフリートーク機能です。
まとめ
語学学習であれば、本屋に参考書がたくさん売っていますし、独学でも始められるものです。
ですが、参考書を開いてCDを聞いても自分の英語レベルを判断してくれたり、発音を直してもらったりすることはできません。
AIの英会話アプリであれば、AIが先生役になってくれるので「今までは三日坊主だった」という人もダウンロードしてみる価値があるでしょう。