ロボアドバイザー(AI投資)が未来の投資のパートナーになる日も近い

2019.05.18 [土]

ロボアドバイザー(AI投資)が未来の投資のパートナーになる日も近い

注目が集まっているAI技術は、投資とも相性が良いです。

投資で資産を増やしていくには、感情的にならずにコツコツ続けていくことが大切ですが、感情を挟まずに運用するという点は、AI技術などの機械が得意とするところです。

AIで投資を行うロボアドバイザーについて、メリット・デメリットや選び方、おすすめサービスを比較してご紹介します。

 

ロボアドバイザー(AI投資)って何?

まずはロボアドバイザーの基本的な情報や種類を確認していきましょう。

ロボアドバイザー投資の基本

ロボアドバイザー投資とは、証券会社や投資運用会社が人工知能(AI)技術を活用して、投資アドバイスや投資商品の購入、運用を行うサービスです。サービスの提供はインターネット上で行われます。

ロボアドバイザーの特徴として、顧客一人一人のリスク許容度の測定を行い、それに応じた最適なポートフォリオを提案してくれる点があります。

リスクの許容度の測定は、インターネット上で幾つかの質問に答えることで行われます。

ロボアドバイザーの種類

ロボアドバイザーの投資サービスは、大きく分けて2つの種類があります。

投資や資産分配について助言を得ることができる「アドバイス型」と、助言に加えて運用までをAIに任せることができる「投資一任型」です。

「アドバイス型」は、最低限の投資の知識があり運用部分は自分で行いたい人におすすめです。

資産状況や投資スタイルの希望、取れるリスクの許容度などを診断し、AIがその人にあったポートフォリオを提案してくれます。

その後、購入と運用は投資家自らが行うスタイルです。

アドバイス型の場合には証券会社が提供していることが多いため、その証券会社の商品からしか投資先が選べない場合があります。料金は、基本的に無料で利用ができます。

「投資一任型」は、その人にあったポートフォリオを提案してくれるだけではなく、必要な金融商品を自動で買い付けてくれます。

さらに、ポートフォリオのリスクを常に把握し、相場の変化に合わせて定期的にポートフォリオを組み直します。

さらに組み直された新しいポートフォリオに合わせて、自動で売買を行っていきます。

 

ロボアドバイザー(AI投資)のメリットとデメリット

ロボアドバイザー(AI投資)には、他の投資方法と比べた場合、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

メリットとデメリットを把握することで、ロボアドバイザー投資の理解を深めましょう。

<メリット>

・手間がかからない上に知識がなくてもはじめることが可能
一任型のロボアドバイザー投資では、投資のプロセスのすべてをAIに任せることが可能です。

手間をかけず、知識が0であっても投資を行うことができるのが、ロボアドバイザーの最大のメリットでしょう。忙しい人や初心者の人でも、無理なく投資を行うことができそうですね。

・少額から投資をスタートすることが可能
サービスによって最低投資金額は異なりますが、ロボアドバイザー投資は、株式に比べて少額でスタートすることが可能です。

投資一任型の「THEO(テオ)」では、毎月の積立金額1万円からスタートすることが可能です。

さらにマネックス証券が展開しる「マネラップ」は月1,000円からの投資が可能です。まずは試してみたい、という人でも気軽に始めることができます。

・特定口座があり確定申告不要
投資によって利益が出た場合、その利益を確定した段階で課税が行われます。

そのため基本的には確定申告を行う必要があるのですが、源泉徴収がある特定口座を開設すれば、投資家本人が確定申告を行う必要がありません。

なお、口座の種類は「一般口座」「特定口座(源泉徴収なし)」「特定口座(源泉徴収あり)」の3つがあります。

特定口座はロボアドバイザーを提供する会社が年間取引報告書を作成してくれます。

このうち、「源泉徴収あり」の口座を開設することで、税金が徴収されているので翌年の確定申告が不要になります。

・現金化がしやすい
ロボアドバイザー投資の場合、現金化がしやすい点もメリットの一つです。

他の投資方法では、一定期間お金が出せないものも存在します。

例えば、銀行の定期預金や債券などは一定期間預けることを約束して投資を行います。

さらに不動産投資なども、売却に時間がかかるため現金化がしにくい投資商品です。

それらと比べて、ロボアドバイザーの場合は、出金手続を行い銀行口座へ着金するまでの期間は、おおよそ3営業日と早いことが特徴です。

<デメリット>

・自分に投資スキルが身につかない
積極的に資産形成や投資を行っていきたいのであれば、投資のスキルや最低限の知識を持っておくに越したことはありません。

すべてをAIに任せてしまうため、知識がなくても資産運用ができる点がロボアドバイザーの魅力でした。

一方で投資初心者の方がロボアドバイザーで投資を始めた場合、投資のスキルや知識を身につけることができなくなってしまうという弊害もあります。

・短期的に大きなリターンは望むことができない
ロボアドバイザー投資は、年間で期待できる利回りは5〜10%ほどとなっています。

リスクを抑えて長期的な運用を行なっていくスタイルとなっており、短期間で大きなリターンを得ることは難しいでしょう。

・運用コストが高いと感じる人も
投資一任型で運用を行なった場合、手数料は年に1%かかります。

ロボアドバイザー投資の利回りは5〜10%となっていることが多く、1%の手数料は割高に感じる人も多いかもしれません。

さらにロボアドバイザー投資は長期的に行ってこそ資産形成ができます。投資は複利の法則があるので、年に1%の手数料でも長年にわたってかかってくるとなると、投資結果が大きく異なってくることもあります。

年に1%の手数料を支払ってでもロボアドバイザーに任せた方が良いのか、それとも手間をかけて自分で運用すべきかは、個人の状況や価値観によって判断をする必要があります。

・元本が保証されない、短期で投資を行った場合には損をすることもある
ロボアドバイザーの性能がどんなに素晴らしくても、投資である限り損をする可能性は0ではありません。

さらに、ロボアドバイザーは長期目線で運用を行うことに適した投資商品のため、短期間で投資を終わらせてしまった場合には、損をしてしまうこともあり注意が必要です。

長い間預けておくことができる、余剰資金で運用を行うことをおすすめします。

 

ロボアドバイザー(AI投資)を選ぶポイント

ロボアドバイザーはアドバイス型と一任型の2つの種類があります。2つの種類に分けた中でも、個性的なロボアドバイザーサービスがたくさん存在しています。

ここでは、個人の状況に合わせて、ロボアドバイザーを選ぶための判断材料となりそうなポイントをご紹介します。

投資経験があるか

ロボアドバイザーで投資を行う際、投資経験の有無でどのサービスを利用するか判断すると良いでしょう。

投資自体が完全に初めてという場合は投資一任型のサービスからスタートすることがおすすめです。

投資にどれくらい時間をかけることができるか

また、投資にどれくらい時間をかけることができるかもポイントです。

仕事が忙しく自分で金融商品の購入を行うことや、経済指標や株価、為替などをチェックすることができないという場合にも、運用まで任せることができる投資一任型を検討すると良いでしょう。

平日の隙間時間などにスマートフォンで投資が行える場合には、アドバイス型も検討できそうです。

手数料をできるだけかけたくない

手数料をかけたくない場合には、手数料無料のアドバイス型が候補です。

または投資一任型の中でも手数料が安いものを選ぶという選択肢もあります。多くの投資一任型ロボアドバイザーの手数料が1%ほどに設定されているものが多いのですが、サービスによって手数料が異なるため、手数料の安いものを探すと良いでしょう。

ちなみに2019年3月時点で比較的トータルコストが安い投資一任型のサービスは「マネラップ」や「楽ラップ」で、手数料0.9%代です。

 

ロボアドバイザー(AI投資)のサービス比較

<アドバイス型>

大手の金融機関がサービスを展開しているパターンが多いアドバイス型。

一口にアドバイス型といっても、それぞれサービスに特徴があります。基本的には運用のための手数料は無料ですが、販売手数料がとられる点には注意が必要です。

サービス名 手数料 販売手数料 対応のファンド 証券会社 その他
SBI-ファンドロボ 0% 〜3% 350本 SBI証券 1分ほどの診断でぴったりな投資を提案
野村のゴールベース 0% 1.08% 5本(提案は1本) 野村証券 提案される1銘柄で分散投資が可能
FUND ME 0% 〜3% 1055本 カブドットコム証券 スマートフォンアプリですべてが完結する
SMART FOLIO 0% 〜3% 約180本 みずほ銀行 みずほGの技術で信頼性が高い運用が可能
投信工房 0% 基本0% 9本 松井証券 100円から積立投資可能

<投資一任型>

投資一任型の場合、手数料は横並びで1%前後ですが、サービスによって微差があり、割引などもあるのでよく比較することをおすすめします。

また最低投資金額もサービスによってまちまちです。 

サービス名 手数料合計 投資先 最低投資金額 自動積立 その他
WealthNavi 1.1〜1.14% 米国上場ETF 10万円 可能 手数料に長期割があり、長く続けるとお得に
THEO 1%以上 海外ETF 1万円 可能 世界各国に分散投資できる
マネラップ 0.943% 米国上場ETF 1,000円 可能 最低積立額が低く、始めやすい
楽ラップ 0.99% 投資信託 10万円 可能 楽天証券のサービス

※手数料合計は、利用手数料に信託報酬などを含んだ数字。詳しくは各サービスの公式HPをご確認ください。

 

まとめ

ロボアドバイザー投資サービスの登場で、投資初心者の方や平日に時間がない方でも投資を始めやすくなりました。

メリット・デメリットや特性を把握した上で、自分に最適なロボアドバイザーを選んでみてはいかがでしょうか。

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