人工知能(AI)をビジネスに活用するメリットと身近な活用事例

2019.04.15 [月]

人工知能(AI)をビジネスに活用するメリットと身近な活用事例

近年、人工知能(AI)に対する注目が高まっています。

人工知能に仕事を取られてしまうというネガティブな意見だけでなく、人工知能を活用すれば会社の業績を伸ばせるというポジティブな主張も見受けられ、人工知能に対する見解は様々です。

実際、既に人工知能を導入し、その恩恵を受けている企業も存在します。

当記事では、人工知能を企業に導入するメリットと具体的な導入事例をご紹介します。

人工知能の導入を考えている方や、人工知能をビジネスに活用する際の基礎知識を把握しておきたい方は、当記事をご参考ください。

 

そもそも人工知能(AI)とは?

人間の知能を再現したコンピュータシステム

人工知能の定義については様々な解釈がありますが、基本的には「人間の知能を再現したコンピュータシステム」と考えていただいて問題ありません。

英語にすると「Artificial Intelligence」となり、頭文字をとった「AI」という略称で呼ばれることが多いです。

ビジネスにおいては、人間がやらなければいけない作業を代わりにやってもらうために、人工知能が導入されています。書類作成や労務管理など、幅広い作業を人工知能が肩代わりしてくれます。

人間と違って、人工知能に休息は必要ありません。社員の労働時間は1日8時間前後になりますが、人工知能は24時間働き続けます。そのため人間ではなく人工知能に作業を任せた方が、作業効率が上がる場合も多いです。

人工知能には、学習を通して次第に成長していくという特徴があります。学習を繰り返すことで、人工知能はより正確な判断を下せるようになるのです。学習を継続して経験を蓄積した人工知能は、ビジネスにおいて頼もしい存在になってくれるでしょう。

人工知能(AI)の能力

人工知能には様々な能力があります。代表的なものが、画像の識別です。人工知能に数多くの画像データを収集させれば、画像の識別が可能になります。

人工知能にかかれば、複数の画像から自社製品が写っている画像だけを識別することもたやすいでしょう。また物体の長さを測ったり、人の性別、年齢を計測したりすることも可能です。

人工知能は画像だけでなく音声も識別できます。音声をテキストに変換する機能をもった人工知能もあるので、音声認識に強い人工知能を活用すれば、人間の代わりに会議の議事録を取ってくれます。

コールセンターに人工知能を導入した例もあり、会社は通話内容のデータを人工知能に収集させることで、業務の品質向上に役立てています。

また将棋や囲碁のようなゲームの分野にも、人工知能は進出しています。

人工知能がプロの棋士を打ち負かしたニュースが記憶に新しいですが、今後研究が進めば、ゲーム分野における人工知能の注目度もさらに高まるでしょう。

人工知能の活用は多分野にわたり、研究もまだまだ発展途上です。それゆえ人工知能の可能性は無限大と言えます。

人工知能(AI)を企業に導入へ

人工知能を導入する場合、基本的には人工知能サービスを提供している会社と契約することになります。契約完了後、人工知能が導入されます。

人工知能の事業を展開している会社の中でも有名なのが、IBMです。IBMが提供する「IBM Watson」は自然言語処理が得意な人工知能で、膨大な言語データを迅速に分析し、的確な提案をしてくれます。

Watsonを活用すればコールセンターの業務品質を向上させたり、営業活動をサポートさせたりすることが可能です。

人工知能を企業に導入するなら、自社で新たに人工知能を開発するという選択肢もあります。

しかし人工知能開発は難易度が高いため、難しいでしょう。また社外から技術者を雇う方法も考えられますが、人工知能の技術者は希少で、人件費も高額です。

人工知能を企業に導入する場合は、IBMのような人工知能の開発会社と契約を交わすのがベターです。

 

人工知能(AI)をビジネスに活用するメリット

業務の効率化を実現できる

人工知能を企業に導入すれば、社員が時間を費やして処理しなければならない単純作業を、人工知能が一手に担ってくれます。

人間なら何時間もかかる作業を人工知能に任せれば、手の空いた社員に他の業務をやってもらうことが可能です。結果的に、業務の効率が大幅にアップするでしょう。

人工知能は書類作成などの簡単な作業だけでなく、採用活動におけるエントリーシートの合否判定といった一見複雑に思える作業も、正確に行ってくれます。

大企業であるほどエントリーシートの確認作業は大変ですが、人工知能にサポートしてもらえば、業務時間の短縮が実現できます。

休みなく働いてくれる点も、人工知能の長所です。人工知能は1日中作業を続けられるため、人間の限界を上回った活躍が期待できます。

作業の正確性も申し分なく、人工知能に作業を任せることで高い成果が見込めます。

売上向上に繋がる

人工知能は顧客満足度の向上にも貢献します。人工知能は顧客ニーズの分析が得意で、顧客のニーズを満たす方法を自ら提案してくれます。

人工知能のサポートがあれば、有効な戦略を打ち出すことができ、企業の売上向上に繋がるのです。そのため、マーケティング分野における人工知能の需要は高いです。

マーケティング面での人工知能の活用例としては、Webサイトの分析が挙げられます。自社製品サイトを訪れた人たちの滞在時間や具体的な訪問ページを人工知能が抽出した後、人工知能自らが提案を行います。

人工知能の提案をもとにサイトを修正すれば、製品の注文件数、契約数のアップが期待できるでしょう。

またネット上だけでなく、実店舗のカメラを通して顧客の行動を分析することも可能です。来店者の情報を人工知能に分析させ、来店者の動線を把握すれば、商品の配置を改善できます。

 

人工知能(AI)の身近な活用事例

コールセンター

前述したように、人工知能はコールセンターの業務品質向上に役立てられています。

実際にコールセンターで活用されているのが、「IBM Watson」です。自然言語処理が得意なWatsonをコールセンターに導入すれば、オペレーターの通話内容を分析し、顧客の質問内容に合致した回答を、即座に導き出してくれます。

Watsonに通話のサポートをしてもらうことで、オペレーターの応対速度が向上し、より正確な回答を顧客に伝えられるようになります。コールセンターへの人工知能の導入は、業務品質の向上だけでなく、オペレーターの負担軽減にも繋がります。

Watsonの導入企業は様々です。JR東日本や三井住友銀行といった有名企業も、自社のコールセンターにWatsonを取り入れています。コールセンターの業務見直しを考えている方は、Watsonの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

新卒採用選考

Watson活用事例の2つ目が、新卒採用選考です。自然言語処理機能をもったWatsonは、新卒採用選考におけるエントリーシートの確認に用いられています。

実際にWatsonを活用する場合は、あらかじめ過去のエントリーシートのデータを読み取らせ、合格となったエントリーシートの特徴をWatsonに学習させておきます。

学習を繰り返して経験を積んだWatsonを書類選考の現場に導入すれば、自社の採用基準を踏まえた合否判定を行ってくれるでしょう。

採用活動における書類選考は、人間の目で行うことが基本です。それゆえ選考の場に人工知能を導入するのは、気が進まないかもしれません。

しかし人工知能は正確性と迅速性を兼ね備えており、良い働きが期待できます。人の目と人工知能を併用すれば、書類選考の効率化を実現できるでしょう。

既にソフトバンクは、新卒採用選考にWatsonを導入しています。人工知能が書類選考するのが当たり前になる時代は、近いかもしれません。

マーケティング

マーケティングに関しては、株式会社ABEJAが「ABEJA Insight for Retail」という店舗解析に特化した人工知能を提供しています。

ABEJA Insight for Retailの得意分野は消費者の行動分析です。カメラを通して、来店者の人数や入店率、買上率、動線分析といった様々なデータを導き出してくれます。

人工知能が導き出したデータを見れば、店舗のどこに問題があるのか、また店舗をどう改善すべきなのかを洗い出せます。

実際に導入した店舗からは、売上が上昇したという声や、買上率が改善したという声が上がっています。

人事労務管理

人事労務管理に役立つのが、日立ソリューションズの「リシテア/AI分析」です。

リシテアには社員のストレスを予測する機能があるため、ストレスが溜まっている社員を見つけ出し、トラブルを未然に防ぐことができます。

人工知能なしに社員のデータを取ろうと思ったら、多大な労力を要します。しかしリシテアを活用すれば、社員の状態を素早く分析することが可能です。人の力で行うよりも、圧倒的に手軽な分析が実現します。

リシテアでストレスが溜まっている社員を発見できれば、社内環境の改善に繋がります。ストレスの原因を究明することで、より働きやすい職場環境を実現できるでしょう。

 

まとめ

人工知能をビジネスで活用するメリットは多く、実際に導入している企業からの評価も高いです。

今後は人工知能の重要性がより高まることが予想されるので、最新技術の動向に目が離せません。

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