2020.04.06 [月]

フォークとは?今更聞けない基礎知識編

暗号資産・ブロックチェーンを知る上で欠かせない事柄は多く存在しています。その中でも、ブロックチェーンの仕組み・歴史・価格にも大きく関わっているのが「フォーク」です。
このフォークとはどのようなことなのか、詳しく見てみましょう。

ブロックチェーンのフォークとは?

フォークとは、ブロックチェーンがふたつに分かれる(分岐する)ことを指します。
ブロックチェーンは、取引が行われたデータ(トランザクション)のかたまりであるブロックが鎖や数珠つなぎのようになっていることが名前の由来です。

通常は一直線になっているブロックチェーンですが、時にはチェーンが分岐することがあり、これをフォーク(ハードフォーク・ソフトフォーク)と呼びます。

なぜ分岐(フォーク)が起こってしまうのか

ブロックチェーンのフォークが起こる理由はふたつあります。
ひとつめは、ブロックの生成タイミングがふたつ同時になってしまうこと。
ふたつめは、ルール変更が行われることです。

では、ビットコインのブロックチェーンを例に挙げてみましょう。
ビットコインのブロックは、マイニングというコンピューターの計算作業によって約10分間隔で作られていきます。マイニングを行うマイナーは世界中にいて、計算力の高いコンピューターを使い、ブロックを作る権利を得るために計算を行っています。このとき、ふたつのコンピューターによって同じ数値がはじき出されると、同時にブロックが作られることに。

ブロックチェーンは基本的に一列ですが、同時にブロックができるとチェーンが枝分かれし、その先に続くブロックはどちらになるのかが問われます。さらにブロックが作られていくと、そのうち短いチェーンは消え、長いチェーンが残るという仕組みになっています。

続いて、フォークが起こるもうひとつの理由、仕様変更(ルール変更)について。システムを改善したり、新しい機能を付け足したりする際、新しいルールが適用されるブロックが発生すると、フォークが起こる仕組みになっています。

 

ソフトフォークの仕組み、流れについて

フォークのひとつである「ソフトフォーク」は、主に新しい機能を実装させる際にとられる分岐方法です。

フォークは一時的で、ルールが適用された後のブロックと適用される前のブロックには互換性があり、フォークした後はマイナーによってどちらのルールを適用するかという判断が下されます。
新しいルールでも古いルールでも、ブロックは長いものが残り、短いものが消えるという前提があるため、一時的に分かれたブロックチェーンもやがて一本のチェーンに戻ります。

ビットコインの場合は、送金処理が滞ってしまうスケーラビリティ問題が発生したことから、送金をスムーズに行うための「Segwit(セグウィット)」と呼ばれる機能を、ソフトフォークによって実装させました。
また、取引に秘匿性を持たせるため、ライトコインが「MimbleWimble(ミンブルウィンブル)」という機能の開発を行っていますが、こちらもソフトフォークで実装予定と発表されています。

 

ハードフォークの仕組み、流れについて

ハードフォークは、ブロックチェーンが分岐した際そのまま永続的に分かれてしまうことを言います。

ソフトフォークはルール変更の前後で互換性がありますが、ハードフォークは互換性がなくなり、ルールが適用されたチェーンとされる前のチェーンで別物となります。ビットコインやイーサリアムといった暗号資産をもとに、まったく新しい暗号資産が誕生するのもハードフォークが行われているためです。

 

ハードフォークが行われた例(BCH・ETC)

もっともよく知られているハードフォークは「BCH(ビットコインキャッシュ)」誕生時。
2017年8月1日、ビットコインのブロックチェーンからハードフォークが行われ、新たにビットコインキャッシュが誕生しました。
これは、スケーラビリティ問題解決に取り組む人々の意見の食い違いによって生まれたもので、ビットコインはSegwitで対応を、ビットコインキャッシュはブロックサイズを拡張して対応するという方針の違いが背景にありました。

もうひとつ、イーサリアムから誕生した「ETC(イーサリアムクラシック)」もハードフォークによって誕生した暗号資産です。
TheDAO(ザ・ダオ)というプロジェクトが行われた際、多くのユーザーのETH(イーサリアム)がハッキングされたことがきっかけとなりました。ユーザー救済のためにこの被害をなかったことにしたチームと、人の手を加えてブロックチェーンを改編することに異を唱えるチームとで決裂。
こうして、ルールを変更して救済を行った現ETH(イーサリアム)から、もとの思想を唱えるETC(イーサリアムクラシック)がハードフォークで誕生しました。

 

さいごに

価格にも直結、フォークに注目フォークはビットコインをはじめ、さまざまな種類の暗号資産で起こっているもの。仕様変更や新たな暗号資産誕生の際はもちろん、バグの修正や新たな機能実装の際など、各通貨の節目に大きな影響を与えていることがわかります。

今後、フォークが行われる際にはどのような変化があるのか、ぜひ注目してみてください。

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