ソーシャルレンディング

2019.03.15 [金]

ソーシャルレンディングはどのように始めたら良いの?口座開設方法や審査内容について解説

ソーシャルレンディングとは、クラウドファンディングと呼ばれる投資手法の一つで「貸付型クラウドファンディング」や「融資型クラウドファンディング」と呼ばれることもあります。

ここでは、お金を貸したい個人投資家(レンダー)とお金を借りたい企業(ボロワー)をインターネット上でマッチングするサービスであるソーシャルレンディングの始め方や口座開設方法、審査内容について細かく解説していきます。

 

ソーシャルレンディングの口座開設の流れ

ソーシャルレンディングとはそもそも一体何なのでしょうか?

ソーシャルレンディング事業を運営する会社があり、インターネット上で資産運用をしたい個人からお金を集め、その資金を企業に融資するものです。サービス内容にもよりますが、最小投資額は1万円と少ない元本で始められるのが魅力であり、多くの個人投資家から注目を集めています。

企業が個人からお金を借りたい理由は様々ですが、主な理由は以下の3点です。

〇創業年数や取引実績が浅いことで、銀行から思うような融資が受けられない企業。

〇銀行から融資は受けているが、追加で融資を受けたい企業。

〇新規事業を行うなどの銀行側から見たらリスクが高い融資案件で、十分な融資が受けられない企業。

このような企業に対してソーシャルレンディングの会社が融資しても大丈夫かという審査を行い、その審査を通過した企業に対して、個人投資家から集めたお金を融資するというものです。

投資家はソーシャルレンディング会社と「匿名組合契約」を交わし、融資したいファンドに出資を行い、その出資金をソーシャルレンディング会社が企業に対し融資します。その後企業から返済された元本と利息が投資家に分配されるという仕組みになっています。

個人から資金を集めるという仕組みから、ソーシャルレンディングはクラウドファンディングとして分類されます。

「投資型クラウドファンディング」と混同されてしまうことがよくありますが、投資型クラウドファンディングとソーシャルレンディングは全く異なるものであり、融資型もしくは貸付型クラウドファンディングとなります。

ソーシャルレンディングをスタートさせるためには、まず口座を開設する必要があります。口座開設は各事業者によって多少の違いはありますが、各社共通の大まかな流れは以下の通りです。

 

①必要情報の入力

金融商品取引となりますので、個人情報に加えて年収や資産状況、投資経験などを記入する必要があります。個人ではなく法人でも登録することは可能ですが、事業者によって規約が異なりますので、電話やメールで直接問い合わせてみることをオススメいたします。

②本人確認書類の提出

提出方法は各事業者によって異なりますが、現在はWEB上で画像をアップロードする方法が多くなっています。もちろん郵送やFAXでの提出にも対応している事業所はあります。

本人確認書類とは、運転免許証・印鑑登録証明書・住民票・パスポート・住民基本台帳などです。外国籍の方は外国人登録証明書や在留カード、特別永住者証明書が必要となります。

また法人の場合は登記簿謄本のコピーや取引責任者の本人確認書類の提出を求められる場合があります。

③審査

事業所ごとに基準は異なりますが、それぞれの審査基準に基づいて審査が行われます。審査基準の詳細は公開されておりませんが。以下の項目を中心に審査が行われている場合が多いです。

〇現住所
日本に在住しているか否かがチェックの項目となります。外国籍の方でも日本に在住していれば問題ありません。逆に日本国籍でも海外勤務などで日本にいない場合は口座を開設することはできません。

本人限定受取郵便などで現住所を確認する場合が多いようです。

〇年齢
事業者ごとに口座開設の年齢制限があり、合致しない場合は口座開設ができません。

〇年収・資産状況・投資経験の有無
投資経験が無いことで審査に落ちることはありませんが、投資経験なしに加えて資産・年収が低い場合は投資不適格と判断される場合があります。目安としては投資経験が無く、資産50万円以下で年収200万円以下の場合は審査に通らない場合があります。

〇反社会勢力早めに
近年の犯罪収益移転防止法によって、過去の犯罪歴や反社会勢力に属していないかどうかを調べられます。

④はがき、封書を確認

口座開設の審査が終了すると、登録した住所にはがきか封書が届きます。これは登録した住所に本人が住んでいるかどうかの確認も兼ねていますので、特定記録郵便で送られてくる場合が多いです。

住まいが複数ある方や引っ越しの前後に口座開設の手続きをする方は注意をした方が良いです。

 

口座開設後から投資までの流れ

口座開設が完了しましたら、いよいよ投資のスタートです。

ファンドへ投資する資金を口座に入れて投資を開始しますが、ファンドによっては大変人気のあるものもあり、募集してすぐに募集金額が集まってしまうものもあるので、早めに入金することをオススメします。

 

ソーシャルレンディングを始める前に確認するポイント

まず投資はリスクを回避するために「分散投資」がオススメです。

万が一融資先の延滞や貸し倒れが発生した場合に、1つのファンド限定で投資を行っていると大きなダメージを被ることになってしまいます。

もし100万円の投資金額があるのでしたら、10万円×10ファンドで投資することをオススメします。

また投資を始めるにあたって事前に確認するべきポイントがあります。以下にポイントをまとめましたので参考にしてください。

①テーマ

ファンドの種類は多種多様で、事業者ごとに国内外の不動産や再生可能エネルギー、中小企業支援など様々な種類のファンドが用意されています。

特に再生可能エネルギーは不動産に並び人気のファンドであり、太陽光や水力、風力、バイオマス、地熱等様々なエネルギーの事業が存在しています。これらの再生可能エネルギーは資源が枯渇せず、繰り返し利用することが可能で、発電時の二酸化炭素を抑制するといった点でも注目を集めているエネルギーです。このようなプロジェクトに融資するのがソーシャルレンディングの再生可能エネルギー案件となり、その他のファンドの詳細ページも必ず熟読するようにし、自分が本当に興味が持てるファンドに投資することをオススメします。

②利回り

ソーシャルレンディングを始めるにあたり利回りは気になるところであると思います。ソーシャルレンディングの利回りは各社の数字を見るとおおよそ5%~10%程度となっています。

もちろんもっと高い利回りの商品もありますが、一般的に高い利回りのファンドはそれなりのリスクも伴うと考えられるので、期間や担保などの他の項目も良くチェックしてから決めることをオススメします。

③運用期間

ソーシャルレンディングは原則途中解約はできず、期間満了まで運用することになります。ですので、まず資金に余裕のない状態で運用機関の長いファンドに投資することは避けた方が良いと思います。

投資スタート時は運用期間の短めなファンドからちょっとずつ投資をしてみることをオススメします。

④保証・担保

融資はどうしても一定の確率で貸し倒れが発生してしまいます。借り手が返済困難になった際にその損失を補うために不動産や売掛金を借り手から提供してもらうものを指します。

⑤融資先

ソーシャルレンディングでは貸金業法で融資先が分からないようになっています。しかし、一部の事業者では融資先が重複しないように識別できるアルファベットなどを付与している場合もあります。

 

ソーシャルレンディング投資の返済金額について

運用が開始されたのち翌月もしくは翌々月から利息の一部が分配金として指定口座に振り込まれます。

そして運用期間が終了すると「償還」といい、投資元本と利息が一緒に返済されます。中には満期一括返済のファンドもあり、その場合は月々の分配金は無く、運用期間終了後に元本と利息がまとめて償還されます。

 

まとめ

ソーシャルレンディングは他の投資や資産運用に比べ、事前に得ておくべき必要な知識やスタートするにあたっての手間が比較的少なくて済むので、そういった部分も人気を集めている理由の一つです。

FXや株式投資のように価格変動がないため、時間や能力で他の投資家と競う必要が全くないのです。投資するファンドと投資金が同じであれば、何年もソーシャルレンディングに関わっている玄人投資家も初めて投資する初心者でも結果は同じになります。

また日本のソーシャルレンディングは貸し倒れが非常に少ないと言われていますが、それでもリスク管理は非常に重要なことですので、しっかりとファンドの詳細を確認し、必ず分散投資を行うことをオススメします。

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